決して「幸せな結末」は訪れないマイクロソフトのヤフー買収劇

──このところ業界関係者のみならず、ネットユーザーの耳目を集めてきた、巨人が巨人を飲み込もうという、2大IT企業をめぐる買収劇。この裏には、長きにわたり、コンピュータ業界の覇権を握ってきたマイクロソフトの焦りがあった──。

新たなサービスの概念を次々と取り入れるア
マゾン。市場急拡大の原動力となっている。

 マイクロソフトとヤフーの買収騒動が、波紋を投げかけている。

 とりあえず経緯を振り返っておこう。マイクロソフトが1株31ドル、計446億ドル(約4兆8000億円)という巨額の買収提案をヤフーに行ったのは、今年2月1日のことだ。だがヤフー経営陣は、この買収金額について「ヤフーのブランド価値や成長性を過小評価している」と提案を拒否。その後、グーグルやルパート・マードック氏のニューズコーポレーションがヤフー支援を表明したり、さらにはAOLとの合併が取りざたされたりと、ネット業界全体を巻き込んだ騒動に発展した。最終的にマイクロソフトは5月3日、ヤフー買収提案を撤回して騒ぎは収まったように見えるが、しかしこれによってすべての問題が集結したかと言えば、そうとも言えない。ヤフーの株価は低迷したままだし、マイクロソフトの今後の戦略も現状では不透明なままだからだ。

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2024.4.27 UP DATE

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