>   >   > 文芸編集者が狙う芸人作家/【あいつに小説書かせたい】座談会

――芥川賞を受賞した又吉直樹などに象徴されるように、このところの文芸界では“二足のわらじ作家”の存在が目立つ。一説によると『火花』ヒット以降、文芸系出版社の編集者たちは、「ネクスト又吉」探しに躍起になっているとか。文芸編集者たちがひそかに狙う「次の才能」について、話し合った。

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読書芸人として、さまざまな編集者から高い評価を得ているメイプル超合金・カズレーザー。彼を射止めるのはどこの出版社だ!?

[参加者]
森山裕之(スタンド・ブックス)
某出版社文芸書担当編集H
金森航平(中央公論新社)

──ここ10年ほど、タレントや芸人の書く小説が多数刊行され、ちょっとしたブームです。2015年には、ピース・又吉直樹の処女小説『火花』が芥川賞を受賞し、大ヒット。これを受けて、多くの出版社で「第2の又吉を探せ!」と号令が飛んだ、なんて話も聞かれます。今回は、日々新たな才能に目を光らせている編集者の皆さんに、「今、この人に小説を書かせたい!」というテーマのもと、お話を伺っていきたいと思います。

森山裕之(以下「」) 僕は15年まで「ヨシモトブックス」という、主に吉本興業に所属する芸人の本を出す出版社で働いていました。そこでの経験から言えるのは「本は、本を読んでいないと書けない」ということです。

H その通りだと思います!本を読んでいることは十分条件ではないけれど、必要条件ではある。そして、「今、この人に小説を書かせたい! 」というテーマである以上、いわば「二足のわらじ」を履くことが前提になりますよね。

 そうですね。【1】すでに何らかのジャンルにおいて著名な人。【2】知る人ぞ知る人。【3】何か大きな事件とかを経験している人。【4】小説以外を書いている優れた書き手──このあたりが、対象となる人物像ではないでしょうか。

金森航平(以下「金」) 確かに、基本的にはこれでカバーできますね。

 【1】は芸人やミュージシャンなど。【2】は出版業界内ではよく知られている人。例えば、編集者上がりの作家って意外と多いですよね。古くは常盤新平、田村隆一みたいな人たち、最近なら樋口毅宏さんがいらっしゃいます。

 ノワール作家の馳星周さんとかもそうですね。

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