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いま、小中学生はどんな雑誌を読んでいるか? 調査して分かった「いまどきの読まれ方」

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「セブンティーン 2017年05月号」(集英社)

 2016年末、雑誌の売り上げが41年ぶりに書籍を下回ったというニュースが出版界を駆けめぐった。雑誌の市場規模はピークだった1997年と比べると約46%にまで縮小しているという。こうした雑誌市場の低迷には、言うまでもなくスマホやインターネットの台頭が大きく影響している。なかでも、物心ついたときから当然のようにスマホがあったいまの小中高生は、当然のように情報はスマホでタダで手に入れるものと思っているのだ。

 そんな時代ではあるが、きちんと調査してみると、いまどきの小中高生たちにも意外とそれぞれのお気に入りの雑誌があることが分かってきた。その結果をよく見てみれば、これからの雑誌市場の行方が見えてくるかも……?

 どんなジャンルの雑誌を読むかは、その人がどの分野に一番関心を持っているかを如実に反映するもの。中高生に読んでいる雑誌を聞いてみると、一番多いジャンルはやはりファッション誌だった。
(以下、雑誌名、年齢、学年、性別、理由の順に掲載)

『Seventeeen』(集英社)17歳、高校2年生、女
「モデルがかわいいのと、それなりに流行は知っとかなきゃいけないし、周りも読んでるから買ってる。女子高生向けの雑誌のなかでは服の系統が着れそうな感じだし、メイクとかも載ってるから」

『Seventeen』 16歳、高校1年生、女
「主に高校生が対象の雑誌だから、載っている服が20代向けの雑誌より安くて手が出しやすいのが多かったり、学校に持って行くものも載っていて参考になる。人気のモデルも出ているし、雑誌の価格も安いから買ってる」

『ViVi』(講談社)17歳、高校2年生、女
「他の雑誌に比べて好きなテイストの洋服やモデルが出てるし、写真もキレイ。値段は安いとは思わないけど、ボリュームがあるから満足度高い」

『ViVi』18歳、高校3年生、女
「ハーフモデルが多くて他の雑誌よりかわいいし、海外のファッションも参考にしているのがいい。流行りに敏感で他の雑誌にはないスタイリングが載ってるし、エンタメ情報も豊富なのがいい」

 ファッション誌を参考にするのは女子高生だけではなく、その少し下の女子中学生の世代から始まっているので、その年齢層のコメントも見てみよう。

『nicola』(新潮社)12歳、中学1年生、女
「私は付録を見て雑誌を買うんですが、『nicola』が一番中学生向けのオシャレなアイテムが多いから好きです。あと、メイクの仕方や髪型の参考にもなる」

『Popteen』(角川春樹事務所)15歳、中学3年生、女
「ファッションが好きで買ってるけど、かわいくない読モを探して学校でネタにしてる(笑)。最初はママ(45)も読んでたけど、『最近のPopteenって全然エロくないのね』と言われてからは全然見なくなった」
どうやらママが女子中高生だったころは、「Popteen」は結構エッチな情報が載ってた雑誌だったようだ。

『Zipper』(祥伝社)14歳、中学2年生、女
「ママが買ってくれる。私がファッションに興味がないからだと思う。でも雑誌に出てくるモデルの女の子たちも全然かわいいと思わないし、男のモデルもなよなよしてキモい。おばあちゃんの部屋にある『美しいキモノ』(ハースト婦人画報社)とかのほうがよっぽど見てて勉強になる」

 いまどきの中学生の母親世代は90年代にコギャル文化を謳歌していた世代と重なっているわけで、母親が娘にファッション誌を読ませたがるのも時代の流れ。当の娘は着物雑誌のほうがお気に入りというのも面白い。

 このように、意外と読まれているファッション雑誌だが、決まった雑誌を毎号買うとなると少数派で、普段はネットで十分という声はやはり多い。そんな声も集めてみたので紹介しよう。

17歳、高校2年生、女
「雑誌はそんなに読まないし、毎号買ってるとかもない。普段は情報だけならネットで十分。お小遣いは月に7000円+携帯代、交通費別途で、雑誌はその7000円の中から買う」

 この女子高生はたまに雑誌を買う時は付録目当て。普段は出版社の公式インスタグラムを見て、いい付録があると分かったときだけ買っているのだとか。そして付録付きの雑誌を買ったら自分のインスタに乗せて友達に見せる。いまどきの中高生はSNSをベースに生活していて、ネットだけでは補完できないものがある場合にのみ雑誌を購入するのかもしれない。

 そんなデジタルネイティブの高校生が雑誌を購入する動機となるのが「知らない世界を見せてくれそう」という期待感。そんな傾向がわかるのがSEX特集で有名なこの雑誌。

16歳、高校1年生、女
「私が『anan』(マガジンハウス)を読み始めたのはちょうど1年前くらいのことです。最初は『こんな刺激の強いものはひとりでこっそり見よう』と思っていました。ただ、いざ読んでみると『anan』には“肝心”なところ……そんなに過激なものは載っていなかったので、今では友人たちと共に読んで、内容をネタにしておしゃべりしています。それまで強がって話せなかったことも、この雑誌を通してさらけ出せるようになりました」

 ページを開いてみると少々肩すかしだったらしい「anan」だが、自分をさらけ出すきっかけになったとはほほえましい。

 さらに年齢を下げて小学生が読む雑誌をヒアリングしてみると、やはりマンガがいまでも好まれているようだが、詳しく聞いてみると、最近の雑誌事情が垣間見えた。『絶体絶命でんぢゃらすじーさん邪』などのマンガが面白くて『別冊コロコロコミックSpecial』(小学館)を買っているという小学2年生男子が、なぜコロコロ本誌を買わないかというと、もらっているお小遣いでは毎月は買えないから。また、親が定期購読している『子供の科学』(誠文堂新光社)を読んでいる小学5年生男子は「ワンピース」が好きなのだが、単行本で最新刊を買うことで追いかけており、『週刊少年ジャンプ』(集英社)本誌は決して読まない。本誌をたまに見てしまうと話が先に進んでしまっているのが嫌なのだとか。親はジャンプを読まないと学校で「ワンピース」の話題についていけないのでは?と気にしたようだが、特に問題はないそうで、小学校でも「ワンピース」をジャンプ本誌で追いかけている子は少数派なのかもしれない。

 また、この「コロコロコミック」については、「幼稚園のころから約15年間にわたり読み続けてきました。もはや私の人生といっても過言ではありません」と熱いコメントを寄せる高校3年生男子もいて、その人気のほどが窺える。

 ほかには、「小さいときから科学や物理現象に興味があり、将来物理学者になりたいという夢があるので、『Newton』(ニュートンプレス)を読んでいます」という高校1年生男子や、「『大学への数学』(東京出版)は難易度の高い問題が多く、解くのがとても面白いです」という別の高校1年生男子などもいるが、お勉強系に限らず、ニッチな趣味を深めていくには、今でも雑誌は有用なツールであるようで、次のような声もあがっている。

『月刊Goods Press』(徳間書店)13歳、中学1年生、男
「プラモデルやフィギュア、車、電車など、僕の興味にあったものを取り上げているので読むようになりました。何より、同じ趣味を持つ大人たちはどんな意見を持っているのかを知ることができて面白いです」

『電撃G’s magazine』(KADOKAWAアスキー・メディアワークス)17歳、高校1年、男
「最新のアニメやゲームの情報が載っているので購読しています。自分の好きなアニメが特集を組まれていると嬉しいし、ゲームで使える秘密コードが入っている付録を目当てに買うことも多いです」

『アサヒカメラ』(朝日新聞出版)17歳、高校3年生、男
「たくさんの人が撮った写真を見ることができる。写真集は個人の意識に強く染まっているけど、この雑誌ではいまの流行やコンクールの批評などを幅広く知ることができて、とても参考になります」

 雑誌の世界には、まだまだネットだけでは知ることのできない情報がたくさん隠れている。実は、イマドキの中高生もちゃんとそのことを分かっているのかもしれない。そのことに気付き始めた彼らを読者としてちゃんとつなぎとめておくには、雑誌の作り手側にも飽くなき探究心が求められているのは言うまでもない。さて、ネットでこれを読んでいる読者の皆さんは、「まだまだ雑誌も捨てたもんじゃない」と思えただろうか?

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