>   >   > レプロはブラック企業なのか?【1】/ファッション誌で見る【レプロ】研究

――芸能界のみならず、あらゆるニュース、情報番組でも取り沙汰された清水富美加の出家騒動。彼女が所属していた芸能プロ「レプロエンタテインメント」における待遇には、多くの批判が集まったが、問題の根底は果たしてどこにあるのだろうか?

能年玲奈、清水富美加、連続した独立騒動 芸能界のドンを継ぐ者――ファッション誌と「レプロ」の画像1
(絵/黒木仁史・vision track)

 芸能界に大きな衝撃を与えた、若手人気女優・清水富美加の出家騒動。NHK朝ドラや映画主演など、女優として順調にキャリアを積んでいた清水は、突如、事務所との契約解除を求める一方で宗教団体「幸福の科学」への出家を宣言。今後は「千眼美子」として活動するという。その唐突な展開に、世間は戸惑い、芸能界は騒然となった。

 清水はテレビのレギュラー番組や、契約中だった2社のCMも降板。すでに撮影が終了していた4本の映画の現場も大混乱で、3本はそのまま公開されることになりそうだが、11月公開予定の1本は、清水の出演シーンに代役を立てて撮り直すことが決定している。

 さらに清水は、この決断に至った経緯を「全てのことを遺書を書くような思いで、この本に全託しました」という著書『全部、言っちゃうね。~本名、清水富美加。今日、出家しまする。~』(幸福の科学出版)を緊急出版。そこには信仰への思いだけでなく、所属事務所に対する不信感や、ミュージシャンとの不倫の過去、喫煙者だったといったプライベートまでが赤裸々に告白されていた。

 中でも衝撃的だったのが、所属事務所「レプロエンタテインメント」への不信感を綴ったエピソードの数々だ。デビューから数年は月給5万円で、「実家だから、家賃も食費も支給されてませんでした。食事などの生活費も全部自分で払わなきゃいけなかったから、本当に生活できない額」だったそうで、マネージャーに「本当に社長のことを殺したいって思ったりします」と話したこともあったという。

 ほかにも「性的対象にされるのが嫌で事前に拒否していたにもかかわらず、『もう決まっている』と、無理に入れられてしまった」という水着グラビアの仕事に対しても、「こんなこと言ってもいいのかわからないですけど、水着の仕事って言ったって、おかずですよね」というブッチャケた告白も。結果、追い詰められた清水は自殺を考えるようになり、実際にリストカットまでしたこともあったという。ストレスを我慢し続けた清水は体調を崩し、契約解除を申し出た──。

 これは、あくまで清水と幸福の科学側の主張であり、やり方にも問題があったにせよ、ネット上ではレプロへの批判が集まった。もっとも今回の騒動が単に清水の「出家」という話だけであれば、ここまでの批判はなかっただろう。そうならなかったのは、今回の問題の本質が「信仰」ではなく、あくまで「女優と所属事務所の契約問題」だったからだ。

 さらに言えば、すでにレプロが別の“独立トラブル”を抱えていることも広く知られていた。言うまでもなく、現在は「のん」の芸名で活動する能年玲奈の一件である。

 NHKの朝ドラ『あまちゃん』の主演で大ブレイクした能年の独立トラブルが表面化したのは15年のこと。独立の理由は「好きな仕事を与えられず、給料も5万円だった」という、図らずも清水と同じものだった。能年は個人事務所を設立し、本名から「のん」に改名して芸能活動を続けている。一方、独立を認めていないレプロのHPには、いまだ能年の名前が掲載されており、このトラブルは現在も東京地裁で係争中だ。

「芸能界では『自らの意向に沿わないことをやらされた』『ギャラが安い』という話は、今も昔もよく聞きますし、それが原因で一種のうつ病のような状態になる子も少なくありません。中でもレプロのタレントに対する待遇がひどいという噂は以前から根強かった。ポッキーのCMでブレイクした新垣結衣も、引退報道が出るほど精神状態が不安定だった時期がありましたからね。いかに先行投資をしているからといっても、ドラマ主演クラスが月給5万円、交通費も出ないという待遇は、少なくともウチでは考えられません」(中堅芸能プロ関係者)

 清水や能年のように若くして女優で成功するのは簡単なことではない。にもかかわらず、そんなクラスの女優が立て続けに独立トラブルを起こしてしまうのは、やはり只事ではないだろう。

ファッション誌から成り上がるレプロの本当の“実力”

能年玲奈、清水富美加、連続した独立騒動 芸能界のドンを継ぐ者――ファッション誌と「レプロ」の画像2
レプロの公式HP。3月上旬現在、能年と清水のプロフィールは入れられたままだ。

 レプロのHPを見ると、紹介されている所属タレントやモデルは100名を超えている。新垣結衣を筆頭に吉川ひなの、長谷川京子、川島海荷、マギー、菊地亜美、高田延彦と、知名度の高いタレントが多数所属しており、近年はプロゴルファーの金田久美子やJリーガーの柏木陽介といったアスリートも名前を連ねるようになっている。ジャニーズや吉本興業、ホリプロ、オスカーのような事務所に比べて、一般への知名度はそれほど高くないが、芸能界ではかなりの影響力を持っているといえるだろう。

 では、レプロはどのようにして、芸能界でこれだけの勢力を誇るようになったのだろうか?

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...
この記事を購入※この記事だけを読みたい場合、noteから購入できます。

Recommended by logly
サイゾープレミア

2018年6月号

オトナの写真学

オトナの写真学
    • 【アラーキー問題】の本質とは?
    • 【小原真史】私写真という怪物について
    • 【板倉由美】法的問題はどこにあるのか
    • 【黒瀬陽平】法に触れた芸術家は沈黙すべきでない
    • 【田中東子】フェミニズムとアラーキー
    • 進化する【LGBT】写真の美意識
    • インスタ炎上姫【水原希子】研究
    • 【水着グラビア】は性の商品化か?
    • アメリカ写真雑誌と【人種差別】
    • 奇妙すぎる【戦争写真】を発掘
    • サイゾー的【カメラ批評】
    • 写真が形作ってきた【偽史】
    • 報道写真をめぐる【加工】の境界線
    • 歴史を変えた【報道写真】の光と影
    • 【AI】進化でカメラマンが消滅する日
    • 世界を変える最先端【画像技術】
    • 【学問としての写真】最新潮流
    • 海外の【写真教育】事情
    • デジタル時代の【お焚き上げ】事情

忍野さら"暗室"グラビア

忍野さら
    • 【忍野さら】の危険な部分にレンズが迫る

NEWS SOURCE

インタビュー

連載

    • 【日向カリーナ】筑前煮が好きなんです。
    • 【優木まおみ】アイドルから教わる初心
    • 【原あや香】モグラ女子の謎の習慣
    • パラリンピック1964-2020
    • 【彩芽】とスキャンダル
    • 漫画村が開けた「ブロッキング」のヤバさ
    • 高須基仁の「全摘」
    • 異様な空気が高揚を促す【奇祭】
    • 哲学者・萱野稔人の「"超"哲学入門」
    • 【ミシェル・ンデゲオチェロ】丸刈り才女の面目躍如
    • 【森友文書改ざん】法務省が抱えた積年の恨み
    • 統合失調症や自閉症は【母親】のせい!?
    • 町山智浩/『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』正義のラケットで女生憎悪を打ち砕け!
    • 【フェイスブック】個人情報商用利用の問題点
    • 小原真史の「写真時評」
    • 「念力事報」/燃える宇船
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ研究所」
    • 【星野源】ドラえもんの歌詞の妙技
    • ガンズ・アンド・ローゼズTシャツをめぐる裏話
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 幽霊、性からの逃走に聖痕の闘争を。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』