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「もうまともにやっても儲からない」 まだまだ改善点だらけの悪用された診療報酬制度

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『詐欺とペテンの大百科』(青土社)

 住吉会系組長の三戸慶太郎容疑者(49)ら16人が東京・杉並区の接骨院で、実際には行っていない施術を繰り返し行ったように装い、療養費45万円をだまし取った詐欺の疑いで逮捕された診療報酬詐欺事件。

 今後は詐欺に加担していた容疑で、テレビにも出演していた有名美人女医や患者役をつとめたお笑い芸人などの逮捕情報も流れるなど各方面へ広がりそう。事件発覚後には、接骨院の“開業”期間中に療養費を申請した、およそ350人の大半が、国民健康保険の加入者で、一度も来院していないことが発覚した。

「警視庁は、三戸容疑者らが、保険給付の審査の人員不足が指摘される国民健康保険を狙って、患者役を集めていたとみて調べている。患者役にはなんの罪悪感もなく、自分の行為が犯罪に当たるとはまったく思わなかっただろう。とはいえ、最大の問題は、一般人には診療報酬に関する犯罪の意識がまったくなく、長年、制度が大なり小なり“悪用”されてきたこと」(医療関係者)

 今回はほとんど営業実態のなかった接骨院が犯罪の舞台となったが、特に、接骨院と並び、国家資格の柔道整復師を持ったスタッフが施術を行う施術所である整骨院はなかなか“おいしい”業種だったというのだ。

「地方なんかは、柔道の道場に併設されたり、その地方の柔道界の有力者が開業することが多く、以前は柔道関係者の専売特許ともいっていい業種だった。特に、昔の保険制度では家族に対して与えられる保険証が1枚だった。そのため、家族のうち誰かが通院したら、ほかの家族も通院したことにしたり、道場生が通院したら回数をごまかしたりなど、いくらでも診療報酬を水増しすることができた。営業しているだけで儲かるのだからとにかくボロい商売だった」(柔道関係者)

 ところが時が流れ、保険制度が改定されて、いつの間にか、接骨院・整骨院にとっては厳しい時代になってしまったというのだ。

「『儲かる』という評判で、どんどん資格を取る人が増え、同業者が増えすぎた。そうした中で、以前よりも診療報酬の請求がかなり厳格化され、昔のようにアバウトなことは通用しなくなり、一気に稼げなくなった。だから、保険外の報酬であるマッサージやゲルマニウム温浴などの実費施術できる項目で稼がないといけない。もう診療報酬が出る項目をまともにやっていても稼げない時代。診療報酬が出る項目だけで稼ぐなら三戸容疑者たちのように犯罪行為を組織ぐるみでやるしかないが、ここまで巧妙にやっても結局、逮捕者が大量に出た」(同)

 捕まりたくなければ、コツコツ稼ぐしかなさそうだ。

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