>   >   > 『ブッダ』から『三国志』まで!【創価学会】とマンガの関係
第1特集
池田大作はマンガが好き!?【1】

『ブッダ』から『三国志』まで! 創価学会とマンガの危険な関係

+お気に入りに追加

――潮出版社の「月刊コミックトム」が生んだ数々の名作、横山光輝『三国志』や手塚治虫『ブッダ』などがある一方で、第三文明社や創価学会本体の出版部から出されたマンガには、池田大作マンセーマンガも多い創価学会。そんな「創価学会が生んだマンガたち」を、名作から迷作、珍作まで一挙ご紹介!

1502_soka_01.jpg
近頃はめったに公の舞台に姿を見せなくなった池田大作氏。

 かの手塚治虫が10年の年月を費やして完成させたという名作マンガ『ブッダ』。この作品は、創価学会系の出版社、潮出版社(1960年創業)から出版されている。もともとは、潮出版社が発行していた月刊マンガ雑誌「コミックトム」に連載されていたのである。同誌は、65年に「希望の友」として創刊された雑誌で、その後「少年ワールド」→「コミックトム」→「コミックトムプラス」と改題し、01年に休刊となった。さらに12年、コミック配信サイト「WEBコミックトム」として再開され、現在に至っている。

 創価学会系の出版社ということで色眼鏡で見る人も少なくないが、「コミックトム」にはそうそうたるマンガ家たちが連載していた。手塚は『ブッダ』のほか、未完の遺作となった『ルードウィヒ・B』を連載。横山光輝は『三国志』『項羽と劉邦』、藤子・F・不二雄は『ポコニャン』、石ノ森章太郎は『変身忍者 嵐』、そのほかにも、みなもと太郎『風雲児たち』、諸星大二郎『西遊妖猿伝』、山岸凉子『鬼』、石坂啓『ハルコロ』等々が掲載されていたのだから相当なもの。それらとは一線を画す、直截的に布教を目的としたような作品は、創価学会初代会長・牧口常三郎の伝記マンガ『牧口先生』(北野英明)くらいとされている。

 こうした有名マンガ家たちがこれほどまでに「コミックトム」に集った当時の状況について、宗教学者の島田裕巳氏はこのように分析する。

「創価学会に限らず、一般に宗教団体が信者を増やして伸びていく時期は、何をやるにせよ教団に余裕があるものです。70年代の創価学会などもまさにそうで、系列の映画製作会社であるシナノ企画は、加藤剛主演『砂の器』(松本清張原作、74年)や高倉健、北大路欣也、三國連太郎主演、『八甲田山』(新田次郎原作、77年)など、スターが出演する大作の製作にも積極的に取り組んでいました。身を犠牲にして惜しまない不惜身命の精神やリーダー論など、確かに学会員が好きそうな内容ではありますが、必ずしも布教自体が目的ではなく、むしろそれらの作品がヒットすることによって教団の動員力を内外に見せつけるといった意味あいのほうが大きかったのでしょう。マンガ雑誌の出版なども、これらと同様の位置づけとみられます。特に『三国志』は団結して戦うという内容が学会員に非常に好まれ、15年も連載が続く大ヒット作となりました。08年に日中合同で三国志展を開催したときは潮出版社も協力しており、学会員を含むたくさんの三国志ファンが集まりました」

 日本経済も基本的には右肩上がりだった70~80年代。この時代に出版された学会マンガを「コミックトム」関連作以外の作品から挙げてみると、75年には曙出版(赤塚不二夫をデビューさせたことでも知られる出版社)から『劇画ジョージ・M・ウイリアムス―アメリカ日蓮正宗創価学会のパイオニア』(原作・中江克己/画・木村知生)が、76年には怪奇マンガ出版で知られるひばり書房(現在は閉業)から学会員の自伝『鮫と藤衛門 宿命転換への不屈の挑戦』(杉戸光史)が、84年には大手版元・講談社から創価学会2代会長を描く『巨人 戸田城聖』(原作・菅原有一/画・芝城太郎)が、それぞれ出版されている。創価学会とは関係がない(とされる)出版社からコテコテの折伏マンガが出ているあたり、確かに、当時の教団のイケイケぶりを象徴しているといえるのではないだろうか?

 ちなみに創価学会系の出版社といえば、潮出版社以外に聖教新聞社、第三文明社(60年11月27日創業)がある。創価学会の機関紙「聖教新聞」を発行している聖教新聞社は、創価学会の出版部門という位置づけであり、独立した法人ではない。一方の第三文明社は、潮出版社と同様、株式会社として独立している。

「潮出版社も第三文明社も、社員に学会員が多いのは事実ですが、かといってそれが必須条件というわけでもない。出版物の執筆者やインタビュー対象者らも学会員とは限らず、むしろ非会員のほうが多数。『潮』『第三文明』などのオピニオン誌も、名誉会長の池田大作氏の対談などが掲載されてはいるものの、布教を目的とする記事ばかりではありません。創価学会色の濃い順でいえば、聖教新聞社>第三文明社>潮出版社という感じでしょうか。周りの学者や作家の間でも、硬派で比較的ニュートラルな『潮』までだったら出てもいいけど、『第三文明』はちょっとね……という話をよく聞きます(笑)。ちなみに原稿料は3社とも普通だと思いますよ」(島田氏)

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

サイゾープレミア

2017年2月号

過激な「マンガ」読本

過激な「マンガ」読本
    • 【ジャンプ】部数暴落へ
    • 【マンガアプリ】成功の秘訣
    • 【ウェブ発エッセイマンガ】乱れ咲き
    • 【エッセイマンガ】あるある
    • 【こじらせ女子マンガ】の功罪
    • 人気マンガ【AKIRA】の寿命
    • マンガの常識を超えた【大友発明】
    • 日常を語る【戦争マンガ】の現在
    • 【手塚治虫】の戦争マンガ
    • 【しりあがり寿】4コマ描写の禁忌
    • 【接吻】で読む最新少女マンガ
    • 読むべき【キスマンガ】6選
    • 【ティーンズラブ】が熱い理由
    • 広告バナーでよく見る【TL】の中身
    • 時代は射精より【ウ♡チ】?
    • 【封印マンガ】はなぜ生まれたのか
    • 【筋肉マンガ】を科学検証!
    • 【刃牙】筋肉名場面
    • 経済評論家が読む【闇金マンガ】
    • 【日本マンガ翻訳】の限界
    • 変化する【フランス】マンガ市場
    • 【フランス】翻訳出版社6大勢力
    • 【マンガ雑誌】の危機的状況

"経済予測記事"はなぜハズれるのか?

    • 【経済予測記事】はご都合主義?
    • 経済学者が語る【金融緩和バトル】
    • 経済誌【制作の舞台裏】

カルチャー化する"メンヘラ"の謎

カルチャー化する
    • 【青山ひかる】が病みかわコス!
    • カジュアル化する【病み】
    • 【松永天馬】が語るメンヘラ

NEWS SOURCE

インタビュー

連載

    • 【平嶋夏海】もう少し遊びたかったんです。
    • 【山崎真実】Dカップの無為自然
    • MoeにKoiする5秒前
    • 大統領選を揺るがした【フェイクニュース】
    • 迫りくる教育の【2020年問題】
    • 高須基仁の「全摘」
    • 人はなぜ【忘年会】を開くのか?
    • 南米のマツリ・ダンス文化
    • 哲学者・萱野稔人の「"超"哲学入門」
    • 月刊カルチャー時評/『真田丸』
    • 【ア・トライブ・コールド・クエスト】黒人音楽の常識を変えた!
    • 【恒例運転者事故続発】誤ったイメージ醸成の理由
    • 町山智浩の「映画でわかる アメリカがわかる」
    • 『男子の生き様』俳優・宮城紘大
    • 増える依存症と経営赤字【カジノ法案】の真実
    • 小原真史の「写真時評」
    • 「念力事報」/プーチン最強伝説
    • ジャングルポケットの「アダルトジャングル探検録」
    • 【紙の月】女の正義は状況や気分によって容易に更新される
    • 磯部涼の「川崎」
    • アメリカにはない【日本のSM】
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • 更科修一郎の「批評なんてやめときな?」
    • 花くまゆうさくの「カストリ漫報」