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第1特集
どん底の文壇がすがるのは文学賞? 映像化? 文芸編集者座談会【2】

直木賞作家でも初版5000部!? 有名でも売れない大御所作家

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──直木賞を取れば一生食べていけるというほど、本が売れた時代がかつてあった。しかし、現在では、大御所作家でも初版5000部……という事態に陥っている様子。文芸作品の売り上げ低迷を、大御所作家の現状を通して見る。

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『池袋ウエストゲートパーク』(文春文庫)

 出版不況と言われる所以のひとつが、本の初版の発行部数の減少だろう。今や大手出版社といえども、ハードカバーの単行本は3000~5000部が当たり前。相当名前が売れている作家は別格かもしれないが、初版で1万部、2万部は刷るなどと言われていた80~90年代と比べて確実に落ち込んでいる。

 新書ノベルスはジャンル自体の低迷もあるが、かつては初版を数万単位で発行していた西村京太郎さんなどでも、ピーク時の半数に落ち込んでいるという。その理由ははっきりしていて、初版部数の印税が関係している。初版だと、売れなくても一定割合の印税が作家に入るが、売れない場合はすべてのリスクを出版社が負わなくてはいけないからだ。これだけ売り上げが落ち込んでくると、そこまでカバーすることができない。ゆえに初版部数は低迷する。文芸でいえば、単行本では初版部数の少なさからあまり売れなくとも、文庫本でブレイクして、一躍売れっ子になるというケースも多々見られる。ある大手書店チェーンの店員は言う。

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