サイゾーpremium  > 連載  > 学者・萱野稔人の"超"哲学入門  > 【連載】萱野稔人の"超"現代哲学講座 第23回
連載
萱野稔人の"超"現代哲学講座 第23回

"国力"がお金の価値を支える 中央銀行の歴史的経緯と存在論から考える金融緩和策の是非

+お気に入りに追加

──国家とは、権力とは、そして暴力とはなんなのか……気鋭の哲学者・萱野稔人が、知的実践の手法を用いて、世の中の出来事を解説する──。

第23回テーマ「中央銀行とは何か」

1207_kayano.jpg

[今月の副読本]
『貨幣進化論 「成長なき時代」の通貨システム』
岩村 充/新潮選書(10年)/1365円
貨幣はシステムである──。金本位制度が崩壊し、価値の流通装置としての貨幣が誕生したことに、我々はどのように対処すべきなのか? 日本銀行OBで、経済学の重鎮が貨幣の過去、現在、そして未来を的確に描く。


 前回は金融緩和について考えました。ここのところ景気対策やデフレ対策のために、消費増税賛成派からも反対派からもさかんに要求されている金融緩和ですが、実際には日本銀行が金融緩和をおこなってもなかなか望んだような効果がでていません。それはなぜなのか、ということを日本経済の構造的な問題から考えました。

 今回はその考察を引き継ぎつつ、そもそも金融緩和をおこなう中央銀行とは何なのか、ということを考えていきたいと思います。日本でいえば日本銀行(日銀)のことですね。通貨がユーロに統合されたEUでは欧州中央銀行がそれに該当しますし、米国では歴史的な経緯もあって「連邦準備制度理事会」と呼ばれるものがそれに該当します。その中央銀行とはいったい何か。それが今回のテーマです。

 前回の繰り返しになりますが、金融緩和というのは、銀行など、民間の金融機関がもっている国債などを中央銀行である日本銀行が買うことで、その金融機関にお金を供給し、市中に出回るお金の量を増やそうという措置のことです。そこにあるのは、市中に出回るお金が増えればみんなハッピーになり、経済も活性化するだろう、というもくろみですね。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2019年3月号

欲望の美人学

欲望の美人学

乃木坂46・斉藤優里のパジャマパーティ

乃木坂46・斉藤優里のパジャマパーティ
    • 乃木坂の太陽【斉藤優里】が登場!

インタビュー

連載

    • 【園都】サウナーなんです。
    • 【平嶋夏海】美尻アイドルの偏愛録
    • 【88rising】世界戦略の真実
    • 深キョン熱愛ショック!【恭子から俺は!!】
    • 世界中で議論される【AIと倫理】
    • 高須基仁/【エロ】の匂いを消すこの国に抗う
    • 映画【盆唄】に見る人々のたくましさ
    • 【ファーウェイ】創業者の素顔を追う
    • 【ブラック・クランズマン】に思うファンクとディスコの70年代
    • 町山智浩/【バイス】ブッシュを操る副大統領
    • 厚労省の【不正統計問題】と統計軽視の代償
    • 小原真史の「写真時評」
    • 五所純子「ドラッグ・フェミニズム」
    • 笹 公人/【嵐】の夜に
    • おたけ・デニス上野・アントニーの「アダルトグッズ研究所」
    • 稲田豊史/希代のマーケター【西野カナ】
    • 【アッシュ×スラッシュ】実弟が聞くキワどい話
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • ニコタマに地ビールを!【ママ友】たちの挑戦
    • 伊藤文學/【新世代ゲイ雑誌】の価値観
    • 更科修一郎/幽霊、【サイコパス】に救われたい人々。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』