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第1特集
加藤純一(41歳)、ガッチマン(48歳)、もこう(35歳)……

ゲーム実況市場は20倍にかつての人気者は消えるも 生き残る古参は何が違う?

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――昔は「ゲーム実況で金を稼ぐ」だけで反発を買った。それが今では、10時間を超える配信に何万人もの視聴者が集まる巨大市場に成長している。しかし、黎明期の人気者がそのまま生き残ったわけではない。20年近い淘汰をくぐり抜けた〝古参〟たちは、なぜ今も第一線にいるのか?

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ゲーム実況に動画編集、SNSに企業案件、そしてイベント……。こりゃ、8本あっても手が足りない。人気実況者は今日もタコ働き!

YouTubeやニコニコ動画などの動画投稿サービスが普及して約20年。その歴史の中でも、長年にわたって高い人気を維持しているジャンルが「ゲーム実況」だ。

YouTuberという職業が市民権を得るとともに、ゲームをプレイする様子をトークと一緒にインターネット上で公開する「ゲーム実況者」も、すっかり憧れの職業として定着した。加藤純一(41歳)、ガッチマン(48歳)、もこう(35歳)といったゲーム実況文化の初期から活動を続けてきた有名実況者も、今では30~40代を迎えている。

一方、VTuberやストリーマーなど、新たなプレイヤーも次々と登場し、ゲーム配信をめぐる競争環境は大きく変化している。収益構造もYouTubeなどの広告収入だけではなく、メンバーシップ、企業案件、イベント、グッズ販売と、「ゲームを配信して再生数を稼ぐ」だけではないビジネスへと広がりつつある。

ゲーム好きが高じてその道を切り開いてきた現役ゲーム実況者たちの〝高齢化〟を入り口に、ゲーム実況を取り巻く文化と産業が、この20年でどのように姿を変えてきたのかを俯瞰する。

ゲーム実況で稼ぐことが「許されなかった」時代

ゲーム実況が、ネット発の配信者だけのものだった時代はとうに終わった。本田翼、狩野英孝、後藤真希、山田涼介など、人気俳優やアイドル、芸人までが数時間に及ぶゲーム配信を行っている。

「私自身もファミコン世代で、小学生のときは友達の家に集まって他人のゲームプレイを見てきたものですが、歴史的に言うと、1978年に『スペースインベーダー』が登場した頃から、ゲームセンターではそのプレイにギャラリーができたりもしていました。つまり、他人のゲームプレイを見ること自体の楽しみは、50年近く前から自然発生的に存在していたんです」

そう語るのは、ゲーム産業を研究する芝浦工業大学の小山友介教授。そもそも「他人がゲームをプレイする様子を見る」という楽しみは、YouTubeやニコニコ動画の登場によって生まれたものではない。

ただし、「他人のゲームプレイを見ることを楽しむ」という習慣が存在することと、それが職業として成立することは、まったく別の話だ。すでに2010年前後には人気ゲーム実況者が数多く存在していたものの、当時の実況はあくまで「趣味の活動」として視聴者に受け入れられていた。

一般財団法人マルチメディア振興センター(FMMC)調査研究部・主任研究員の五十嵐輝氏は、ニコニコ動画最盛期だった10年前後の空気について、こう語る。

「YouTubeでは11年から収益化が始まり、ニコニコ動画も同時期に『クリエイター奨励プログラム』の導入を開始しています。ただ、当時日本では、ゲーム実況でお金を稼ぐことに対し、ネット上の風当たりは非常に強く、『嫌儲』的な空気感ありました」

「嫌儲」とは、ネット上のコンテンツやコミュニティを利用して利益を得ることへの反感を表すネットスラングだ。当時は、趣味として始めた活動を広告収入や商品販売に結び付けることに対して、「金儲けに走った」と批判的に受け止める空気も強かった。

「例えば『塩と胡椒』という配信者ユニットがいましたが、彼らが11年の冬のコミケでゲーム実況とは関係ない著作権的にグレーなコンテンツを販売します。そのときに、『ゲーム実況での知名度を使って金儲けをしているのではないか』と反発を呼び、炎上した事件もありました」(五十嵐氏)

こうした「ゲーム実況で稼ぐこと」への抵抗感が徐々に薄れ、収益化を前提としたカルチャーへと移行していくひとつの転機が訪れたのが、14~15年頃だ。


◉マックスむらい(44歳)とたぬかな(33歳)
ゲームで売れた人々はいま何をしているのか?


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母になったたぬかな。(本人Twitchより)

日本人女性初のプロゲーマーとして知られるチョコブランカ(40歳)は、2018年放送の『ジャンクSPORTS』(フジテレビ系)で、eスポーツを「ボクシングと将棋を同時にプレイしているようなもの」と表現。彼女の前の席にプロボクサー・井上尚弥が座っていたこともあり、「よくそんなことを言えるな……」とネット上で話題になった。

そんな彼女は近年、プレイヤーとして表舞台に立つ機会を減らし、会社経営やeスポーツイベントの運営などに活動の軸足を移している。

スマホゲーム黎明期の人気者、マックスむらい(44歳)は『パズル&ドラゴンズ』のプレイ動画などで人気を集め、14年にはYouTubeのチャンネル登録者数が100万人を突破。そんな彼が現在、力を入れているのが、どら焼きだ。AppBankを離れた後、同社の手がけていた和菓子店「YURINAN-ゆうりんあん-」を引き継ぎ、経営を続けている。

一度は炎上でキャリアを失いながら、別の形で復活したのがたぬかな(33歳)だ。『鉄拳』シリーズのプロ選手だった彼女は22年、配信中の「170ないと、正直、人権ないんで」という発言が当然ながら炎上し、所属チームとの契約を解除された。

しかし、23年に配信を再開すると、むしろ歯に衣着せぬ物言いを武器に再ブレイク。「5000万円でAV出演のオファーがあった」というエピソードや「弱者男性」をめぐる過激な持論などを次々と語り、ネット上で再び存在感を高めていった。26年には結婚していたことを公表し、7月には第1子を出産した。

ゲームを仕事にすること自体が珍しかった時代から活躍してきた人々も年齢を重ね、経営者、配信者と、それぞれ異なる形で次のキャリアを歩み始めている。

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