サイゾーpremium  > ニュース  > カルチャー  > ディズニーが【スポーツベッティング】に本腰
2211_fortune_betting.png
Fortuneより。

米ディズニーがスポーツベッティングに本腰で挑む

今年9月に米国カリフォルニア州のアナハイムで実施された米ウォルトディズニー社(以下、米ディズニー社)の公式オフィシャルファンクラブのイベント「D23 Expo」にて、同社のCEOであるボブ・チャペック(Bob Chapek)氏がスポーツベッティングに意欲的な発言をしたことは記憶に新しい。そんな矢先に、計画を着実に実行するかのごとく、ベッティングビジネスにさらなる踏み込みを感じさせるニュースが舞い込んできた。

まずは、「D23 Expo」でのチェペック氏の発言内容について、ご存知でない方のために、以下に概要を紹介する。

注目が集まったのは、「D23 Expo」内で示した米ディズニー社のビジョンについて、同社CEOのチャペック氏が言及した内容。というのも、その内容が多くの人の想定を超えるものだったからだ。
チャペック氏は米ディズニー社の傘下であるスポーツ専門局「ESPN」について、スポーツベッティングのアプリケーション開発に精力的に取り組んでおり、今後の若い世代、特に35歳以下の層の需要に対して、エンターテインメント企業として必要な取り組みであると述べたという。

この発言は、同社が今後のビジョンの中でもスポーツベッティング事業を特に重要なものと位置づけているという意味で、多くの注目を集めた。

背景には、近年、米国の一部の州でスポーツベッティングを合法化する動きがあり、ベッティング産業をめぐる情勢は注目の的となっている。そんな状況も後押しし、エンターテインメント業界のベストプラクティスともいえる米ディズニー社が同産業への強い意欲を示したのだから、注目を浴びるのも無理はないだろう。

可愛いらしいキャラクターとパーク運営を看板とした米ディズニー社(とその傘下であるESPN社)がスポーツベッティング産業に乗り出すというニュースを聞いて、にわかには信じ難いと感じた人も多いかもしれない。

しかし、そんな報道から間もない10月、ESPNがオンラインカジノやオンラインスポーツベッティングを運営するドラフトキングス(Draft Kings)社とパートナーシップ契約を結ぶ寸前に至っていると、米フォーチュン紙が報じたのだった。

ドラフトキングス社は、米国のスポーツベッティング産業でトップ3に入る大手企業である。米ディズニー社が後ろ盾になっているESPN社と組むのであれば、ドラフトキングス社にとって甚大なメリットがあるのは言うまでもない。ESPN社がリーチし得る層を囲い込めれば、競合他社とも差がつけられるといった思惑もあるのではないだろうか。

米ディズニー社がベッティングビジネスに視野を向けるのは、今に始まったことではない。実は、同社は2019年にFOXエンターテインメントを買収した際に、合わせてドラフトキングス社の株を取得。さらに、両社は2015年に3年間契約で$250ミリオンの広告契約を結んでいたという。

過去の株式取得や広告契約が、今回のパートナーシップ契約に向けた動きと関連があるかは定かではないが、米ディズニー社が少なくとも以前からスポーツベッティングに興味を示していたことは間違いのないことだろう。日本はまだベッティング関連では後進国だが、米国を先行事例として今後の動向に注意していきたいところである。

ドラフトキングスの会社概要

ドラフトキングス社は、2012年にジェイソン・ロビンス(Jason Robins)、マット・カリッシュ(Matt Kalish)、ポール・リバーマン(Paul Liberman)によって設立された会社で、スポーツベッティングを代表とし、ファンタジースポーツのコンテンツも人気を集めている。

本社は、マサチューセッツ州のボストンにあり、従業員数は2021年時点で3,400人と、ウェブサービスオペレーターとしてはかなりの規模感であることがうかがえる。2018年にニュージャージー州にて、米国初の合法ベッティングサイトを立ち上げると、その後アイオア州、ミシシッピ州、オレゴン州、そしてニューヨーク州など、ビジネスの管轄区域を広げている。なお、ナスダックにも上場を果たしている。

最近では、世界的に有名なDJ・スティーヴ・アオキとのパートナーシップ契約を結んでおり、若い世代を対象としたマーケティング戦略にも精力的なことがうかがえる。ESPNと契約を結べば、さらに利用者が増える期待も大きい。

欧米で盛んなスポーツベッティングとは

ESPN-draftkings-wide-min.jpg

スポーツベッティングとは、バスケットボールやサッカー、野球、格闘技といったスポーツの勝敗などにお金を賭け、予想が的中すれば参加者に配当が支払われるというものだ。

もともとは欧州で盛んなエンターテインメントであり、運営元や関連企業には上場するほどの事業規模に至っている企業が多数存在する。近年は、インターネットで気軽に楽しめることから、利用者は若い世代にも広がっている。

また、昨今ではビジネス規模の拡大によって、欧州だけにとどまらない地理的な拡大を見せており、米国はその代表格といえる。

米国におけるスポーツベッティング

そんな米国のスポーツベッティングは歴史が浅く、現在は一部の州で合法化が始まるといった黎明期にある。同国では現在、ミシガン州やニュージャージー州など、スポーツベッティングやオンラインカジノを合法化している州は20にも及び、その多くが大幅な税収増加に成功している。

こうした先例もあり、ベッティングビジネスは当該産業内の繁栄だけでなく、対象地域の経済成長にも繋がるという点で米国内での浸透が加速しているようだ。

米ディズニー社傘下のESPN社のように、今後も潤沢な資本を持った企業がベッティングビジネスに参入し成長を続ければ、スポーツベッティングが米国経済の支柱となる日が来るかもしれない。

※本稿はPRです。


Recommended by logly
サイゾープレミアム

2024年5月号

NEWS SOURCE

サイゾーパブリシティ