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第1特集
宗教3世が脱会を選択した本当の理由

脱会しても抜け切らない教団の教え 「電マは私の初恋です」 宗教三世〈Marukido〉の告白

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――「合法JK」や「Lil 宗教 Jr.」など、過激なリリックで知られるフィメールラッパー〈Marukido〉。宗教三世として育ってきた彼女だったが、祖母や母親が信仰する宗教への違和感から、自ら脱会を決意。その原動力は、アーティストを継続する大きな糧となっている。本稿では事の顛末をはじめ、宗教問題で揺れる日本についても、Marukidoの生まれ育った池袋にて取材を行った。

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(写真/河本悠貴)

──2019年、ショートインタビュー動画チャンネル「ニートtokyo」に出演された際に、宗教二世であること、そして現在は脱会したことを赤裸々に語り話題になりました。まず、宗教二世としての生活についてうかがいたいのですが、自分の家庭の中に特定の宗教が色濃く存在していることに気づいたのはいつ頃だったのでしょうか?

Marukido(以下、M) 私は物心がつき始めたのが3歳くらいで、それからずっとです。入信していた宗教にはテーマカラーみたいなものが決められていて、自分の家庭がちょっと特別なんだなっていうのは、なんとなく感じていた。私はひとりっ子で、親も結構スパルタというか教育熱心だったので、地区では一番優秀で敬虔な信者として見られていました。

──ご両親の入信のきっかけは?

M もともと母方のおばあちゃんの一家が信者だったんです。私が入信していた宗教は、戦後、貧乏人にいろいろコネや仕事を与えて広まった宗教なんですね。かつ、世帯で入信する家族型。おばあちゃんは、もう死ぬほど貧乏で、トタンの家で暮らしていました。社会的な繋がりや仕事もなく、宗教を伝手に仕事をもらったり、ほかの信者が見回りに来てくれたりもしていた。だから私は宗教二世と言いつつ、正確には三世なんです。母も熱心な信者で、会話の中に宗教的ワードをたびたび入れてくるような感じの人。

──ほかにも「小学生のときに初めてインターネットの世界を覗いたら、そこで自分たちが入信している団体のことがボロクソに書かれていて、それがきっかけで脱退に至った」とお話ししていました。

M そのときは小2ぐらいだったんですけど、びっくりしました。情報が一気に入ってくるから、「洗脳されてる……!?どうしよう」みたいな感じに陥ってしまって。その真相を確かめるべく、我々は会館の奥地へ向かった……みたいな。

──実際に、教団まで確かめに行った、と。

M 顔見知りの地区の信者の人に「ネットでこんなふうに言われてます!」みたいな感じで話すと、「いけない子だね! 馬鹿な子だ!」ってすごい罵られました。

──ご両親の反応は?

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(写真/河本悠貴)

M お母さんは最初こそ無視してたんですけど、「ネットに書いてあることは嘘だ」しか言わなくなって。すごく複雑な感覚だったし、私自身も混乱しました。

──ケースバイケースだと思うんですけど、団体から離脱したり、脱会するプロセスは明確にあるんですか?

M 私の場合は「もう除名して」と伝えました。親からも「わかった」の一言だけ。結構なあなあな感じで、その後は互いに触れないようにしていました。見えない圧というか、「もうこの話はするな」みたいな雰囲気もあって。

──除名を希望したとき、例えば「お父さんとお母さんも一緒に抜けよう」というマインドにはならないのでしょうか?

M ならなかったです。住んでいる地域に宗教が根ざしていたし、だからこそ自分が抜けるしかないと思った。同時に他人の思想を変えることの難しさにも気づきました。いろいろ試したけど、ダメだったんです。他人に対して説くことはできても、説き伏せたり変えたりすることは無理。この考えは今も変わっていないかもしれません。

──ちなみに、旧統一教会では信者同士の子どもは「祝福二世」という絶対的な立場が与えられていますが、Marukidoさんたちの場合、信者の子としてどのような扱いだったのでしょうか?

M 団体には小学生の部があり、「みんな特別なんだよ」と言われて生きてきた記憶が残っているので、(統一教会と)同じような環境なのかなとは思います。あと、結婚するなら同じ信者の人とも言われてきました。「幸せになれるのは、宗教の教えを受けている人」という“幸せ教育”のようなものも受けていました。

──実家は長く住まれていたんですか?

M 中3くらいから家出が多くなり、高校時代は彼氏と同棲していました。中学から私立の女子校に通うことになったので、地元を離れられたことは環境を変える大きなきっかけになりました。地元にいるとすべてが気になってしまうので。

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