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【Tina】自問自答を繰り返しながら、長き沈黙を破った歌姫の本心

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――輝かしい功績を持ちながら、音楽と向き合うために表舞台から遠ざかっていたアーティスト、Tina。ライブや制作活動を継続することで導き出した答えとは。

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(写真/前原 猛)

デビュー・アルバム『Colorado』(1999年)のオリコン初登場1位、ジル・スコットらを輩出したフィラデルフィアの伝説的イベント「Black Lily」への東洋人初となる出演、MACKA-CHIN、SUIKENとのヒップホップ・ユニット、Montienでの活動と、デビュー以来華々しい活動を続けてきたTina。しかし作品としては、12年の4thアルバム『A Song for You』以来、途絶えてしまっていた状態だ。「少し音楽から距離を置いていた」という理由を次のように語る。

「『自分の音楽ってなんなんだろう?』って考え込んでしまった時期があって。ガッチリ正面から向き合うよりも、ちょっと肩の力を抜いた状態で音楽と向き合いたいと思ったんです。ライブは続けていたし、客演もやらせていただいていたので、音楽をやめていたわけではないんですけどね。そうした中で、デビュー20周年を迎えたり、新しいレーベルの方との出会いがあったりして、一度フラットに〈Tina〉というアーティストをいろんな角度から見つめ直し、そこでもう一度音楽を作ってみようという気持ちになったんです。けれど今でも『これでいいのかな』『今の私はどう映ってるのかな』って……趣味が自問自答なんです(笑)」

自問自答を繰り返しつつ、完成したのが新曲「ナイテナイデ feat.¥ellow Bucks」だ。10年ぶりとなる作品で、彼女はどんな姿をリスナーに見せたかっただろうか。

「前までは『私はこう!』ってスタイルの曲が多かったんですけど、今は聴いてくださる方のために歌いたい気持ちが圧倒的に強くて。以前は“誰かのために”とか言うのが偽善ぽくてイヤだったんです。でも、私も年齢を重ねて、今では私の歌を聴いて幸せだなと感じてもらいたい気持ちがなによりも一番にある。それが私が歌う意味だと思うから。だから今回も聴いてくださる人が元気になれるような曲を作りたいって思ったんです」

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