サイゾーpremium  > 特集  > 社会問題  > 東京の食文化をアップデートした「“亡命”レストラン」
第1特集
サイゾーPremium 特別企画「今こそ“食”を考える」

東京の食文化をアップデートした「“亡命”レストラン」――オーナーたちの熱きドラマ

+お気に入りに追加

――故郷の戦禍を逃れ、日本へ逃れてきた亡命者たち。彼らの中には日本で成功したものも少なくはない。新型コロナの影響で食に注目が集まり、また東京入国管理局での難民に対する非人道的な処遇が問題視される昨今、ここでは彼らが手がけるレストランに着目し、その背景を浮き彫りにしてみたい――。(取材・文/里中高志)

2006_nakamurayanobosu_300.jpg
『中村屋のボーズ』

 1909年より新宿の現在地に本店を構える老舗・中村屋のインドカリーは、インド独立運動の志士であるラス・ビハリ・ボースが、当時、芸術家のサロンになっていた新宿中村屋に匿われたことから生まれた。中村屋店主の娘と結婚して、日本に帰化したボースが伝えた本格的な味わいは、「恋と革命の味」として、今も多くの人々の舌を楽しませる。その史実は、中島岳志の『中村屋のボース』(白水社)に詳しい。

 世界でも類を見ないほどさまざまな国の料理が楽しめる東京のレストラン。各国料理店の開店の経緯を紐解くと、しばしば劇的なドラマが織り込まれている。政治的な理由で故国を逃れた人が開店したり、料理を伝えた店が珍しくないのだ。

 そこで今回は、ミャンマーからの亡命者と、カンボジアからの留学生が開店した、ふたつのレストランの波瀾万丈の物語を紹介したい。

 まず一軒目は、高田馬場にあるミャンマー料理店「ルビー」。店主のチョウチョウソーさんは、軍の独裁政権下のミャンマーで1988年に「8888民主化運動」と呼ばれた闘争に参加。故国を追われ、日本にやってきた。「ルビー」の店頭には「ビルマ・ミャンマー料理」と、軍事政権によってミャンマーと変更される前の、ビルマという国名も掲げられている。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2021年5月号

新タブー大全'21

新タブー大全'21

「小川淳也」政治とコロナと与野党を語る

「小川淳也」政治とコロナと与野党を語る
    • 【小川淳也】政治とコロナと与野党を語る

NEWS SOURCE

インタビュー

連載

    • 【都丸紗也華】ボブ、マジ楽なんです。
    • 【アレンジレシピ】の世界
    • 【愛】という名のもとに
    • なぜ【AI×倫理】が必要なのか
    • 【萱野稔人】人間の知性と言葉の関係
    • 【スポンサー】ありきの密な祭り
    • 【地球に優しい】企業が誕生
    • 【丸屋九兵衛】メーガン妃を語る
    • 【町山智浩】「ノマドランド」ノマドの希望と絶望
    • 【総務省スキャンダル】と政府の放送免許付与
    • 【般若】が語った適当論
    • 【小原真史】の「写真時評」
    • 【田澤健一郎】“かなわぬ恋”に泣いた【ゲイのスプリンター】
    • 【笹 公人】「念力事報」呪われたオリンピック
    • 【澤田晃宏】鳥栖のベトナム人とネパール人
    • 【AmamiyaMaako】イメージは細かく具体的に!
    • 【稲田豊史】「大奥」SF大河が示した現実
    • 【辛酸なめ子】の「佳子様偏愛採取録」
    • 伝説のワイナリーの名を冠す【新文化発信地】
    • 【更科修一郎】幽霊、ラジオスターとイキリオタク。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』