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第1特集
お笑い第七世代の謎

お笑い第七世代が続々“童貞”表明の謎……“童貞いじり”のセクハラ性

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――お笑い第七世代が持て囃される中で突然、多くの若手芸人が自らの“童貞”を表明し始めた。舞台上では抜群に実力のある若手たちが、トーク番組でそれらをネタに先輩からいじられる……この構図には、芸人界やテレビ界に根強く残る、セクハラ・パワハラの構図が見え隠れしていることにお気づきだろうか? TKO木下や友近などの言動が問題とされる今、アナクロニスティックな芸人社会の本質を解き明かしてこう。

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パワハラが問題視されるTKO木下に限らず、“こうあるべき”を押しつけがちな人は注意報。

「童貞って生きてきてそうなっただけで、別に面白くないじゃないですか」

 これは現在「街ディスり漫才」でブレイク中の納言・安部が、日刊サイゾーのインタビューで発した一言である。『アメトーーク!』(テレビ朝日系)に出演した際「童貞」と紹介された安部は「(童貞であることの)何が喜ばれているのかわからない」と感じたという。

「童貞」を公言している芸人は多い。かつてはハライチの澤部がカミングアウトし、現在は霜降り明星の粗品、四千頭身の石橋、宮下草薙の草薙、やさしいズ佐伯……。この世界で「童貞」が持て囃されるのも、一般的に芸人は「モテる」というイメージがあり、その揺り戻しが多少あるのは事実だろう。「いい人っぽい」「ピュアっぽい」、勝手に「遊んでそうな商売」と思われるが故、“遊んでない”のアリバイである「童貞」に、これまた勝手に親近感を覚える人たちがいるのは否めない。

 ところが、「童貞」それ自体は決して面白いものではないと芸人本人は考えているのである。確かに「童貞」のどんなところが面白いのかと言われたらわからない。例えばそれを「処女」に置き換えてみると、面白いどころか途端にセクシャル感が増しハラスメント臭が漂ってくる。それもおかしな話だ。安部が言うように「童貞」や「処女」は単なる身体におけるひとつの「状態」。「肌の調子がいい」「腰が痛い」となんら変わりはない。同じく状態のひとつである「ブサイク」も、かつては笑いの対象ではあったものの、現在その風向きは変わりつつある。キングオブコント2019でGAGが「ブスを武器にしないと生きていけないと思い込む女芸人」をネタにしたことでもわかるように、その構造はもう逆サイドから考察され皮肉の対象になっている。しかしまだ「童貞」は世間から笑いの対象となっているのである。

 いや、本当に世間は童貞を笑いの対象にしているのだろうか。

若手の童貞をいじる“残酷な世界”

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