サイゾーpremium  > 連載  > 町山智浩の「映画でわかるアメリカがわかる」  > 町山智浩の「映画がわかるアメリカがわかる」第143回/【ハスラーズ】ストリッパーの逆襲
連載
町山智浩の「映画がわかるアメリカがわかる」第143回

『ハスラーズ』一晩で1000万円カモれ! ウォール街に騙されたストリッパーのリベンジ

+お気に入りに追加

『ハスラーズ』

1911_P141_img001_200.jpg

2008年、サブプライム・ローンに端を発する金融危機により、多くの企業が破綻し、多くの人が無一文になった。ウェイトレスとストリッパーしか職業経験のないシングルマザーのキオもそのひとり。だが、先輩ストリッパー、バーバッシュと結託し、ウォール街の金融屋をカモにするが……。監督・脚本:ローリーン・スカファリア、出演:ジェニファー・ロペス、コンスタンス・ウーほか。

 2008年、ウォール街の投資銀行はサブプライム・ローン(収入の不安定な客向けの住宅ローン)を乱発し、それを金融商品として売り出し大儲けしてきたが、案の定、崩壊した。連鎖倒産が起こった。世界中で何億もの人々が年金や家や仕事を失った。

 ロズリン・キオもそのひとりだった。夫と別れ、幼い娘を抱え、ウェイトレスとストリッパーしか職歴のない彼女にとって就職は難しかった。結局、ストリッパーに戻ったが、不景気で客は少なかった。そこでキオは、ストリッパーの先輩サマンサ・バーバッシュと新しい商売を始めた。この金融崩壊を引き起こしておきながら、罰せられもせずに、今もストリップ・クラブでシャンパンを注文して札ビラを切っているウォール街の金融屋どもをカモるのだ!

 映画『ハスラーズ』は、15年にニューヨーク・マガジンに掲載された、ジェシカ・プレスラーによる記事が原作。「ハスラー」はスラングでは賭博師や街娼、詐欺師を意味する。ハッスルには「ボッタくる」という意味がある。昔、池袋とか歩くと、ピンサロの呼び込みが「ハッスル! ハッスル!」 と言っていたなあ。

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2021年5月号

新タブー大全'21

新タブー大全'21
    • 【森発言は女性差別?】高齢者座談会
    • 広がる【陰謀論とGAFA】の対応
    • 【Qアノン】の主張
    • ビジネス的な【福音派】の布教
    • 【ザ・ボーイズ】が描く福音派
    • 【反ワクチン運動】の潮流
    • 取り沙汰されてきた【ワクチン4種】
    • 【メガIT企業】が触れたタブー
    • 【民間PCR検査】の歪な構造
    • 【NHK】に問われる真価
    • 【テレ東】が身中に抱えた爆弾
    • 【キム・カーダシアン】の(危)人生
    • 【仰天修羅場】傑作5選
    • 月収12万でアイドルが【パパ活】
    • 【パパ活】の背景にある雇用問題
    • 金融の民主化【ロビンフッド】の闇

「小川淳也」政治とコロナと与野党を語る

「小川淳也」政治とコロナと与野党を語る
    • 【小川淳也】政治とコロナと与野党を語る

NEWS SOURCE

インタビュー

    • 【朝日ななみ】新人役者は“嫌われるほど悪い役”を目指す!
    • 【はるかりまあこ】新風を巻き起こす三人官女のサウンド
    • 【SILENT KILLA JOINT & dhrma】気鋭ラッパーとビート職人
    • 【松居大悟】自身の舞台劇をどのように映画化したのか?
    • 【BOCCHI。】“おひとりさま。”にやさしい新人7人組

連載

    • 【都丸紗也華】ボブ、マジ楽なんです。
    • 【アレンジレシピ】の世界
    • 【愛】という名のもとに
    • なぜ【AI×倫理】が必要なのか
    • 【萱野稔人】人間の知性と言葉の関係
    • 【スポンサー】ありきの密な祭り
    • 【地球に優しい】企業が誕生
    • 【丸屋九兵衛】メーガン妃を語る
    • 【町山智浩】「ノマドランド」ノマドの希望と絶望
    • 【総務省スキャンダル】と政府の放送免許付与
    • 【般若】が語った適当論
    • 【小原真史】の「写真時評」
    • 【田澤健一郎】“かなわぬ恋”に泣いた【ゲイのスプリンター】
    • 【笹 公人】「念力事報」呪われたオリンピック
    • 【澤田晃宏】鳥栖のベトナム人とネパール人
    • 【AmamiyaMaako】イメージは細かく具体的に!
    • 【稲田豊史】「大奥」SF大河が示した現実
    • 【辛酸なめ子】の「佳子様偏愛採取録」
    • 伝説のワイナリーの名を冠す【新文化発信地】
    • 【更科修一郎】幽霊、ラジオスターとイキリオタク。
    • 『花くまゆうさくの「カストリ漫報」』