サイゾーpremium  > 特集  > 社会問題  > バブルに乗じてギャラ高騰! 中国全土を席巻する【韓流】の底力
第1特集
K-POPバブル終焉、その本当の理由【3】

東方神起に中国人メンバー加入計画も!? アジアを席巻する韓国芸能界と中国芸能界の蜜月 

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――前特集までは、日本国内におけるK-POPブームの変遷を見てきたが、韓国にはもうひとつの進出すべき隣国がある。昨今、ますます韓国がその依存度を高めつつあるといわれる中国市場だ。美容や電気、飲食産業はもちろん、エンターテインメントの分野でも、それは顕著である。ここからは、韓流文化の中国市場進出の歴史と現状を追っていきたい。

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東方神起を輩出したSMエンタテインメントが、中国市場用にデビューさせたボーイズグループEXO-Mは戦略通り中国はじめアジア各国のティーンを中心にブレイク中。(公式HPより)

 2012年、東方神起や少女時代を擁する韓国の大手芸能事務所「SMエンタテインメント」(以下、SME)は、韓国人8人、中国人4人をメンバーとしたボーイズアイドルグループEXOをデビューさせた。EXOは、主に韓国で活動するEXO-K(Korea)と、主に中国で活動するEXO-M(Mandarin)で構成。中国人メンバーが属する後者で中国市場に本格参入し、若年層と20~30代女性を中心に、熱狂的なファンをつかんでいるという。さらにSMEは14年5月、中国系IT企業「百度」などと業務提携し、オンラインサービスやオンラインコミュニティ運営、新規放送番組制作などを共同で推し進めると発表した。

 では今、なぜ中国で韓国の文化が受け入れられているのだろうか。『中国のマスゴミ』(扶桑社新書)などの著者で中国の事情に詳しいジャーナリストの福島香織氏は、そもそもの背景をこう話す。

「歴史的背景から、中国人は韓国人を下に見る傾向にあります。朴槿恵韓国大統領が中国へ熱心に歩み寄っても、中国側はそれほど好意的な態度を見せない。とはいえ、今現在は中韓には日韓ほどの政治的しがらみがありませんから、両者には強い反感もないのです」

 こうした国民感情をベースにして、韓国エンタメが中国に浸透した理由のひとつは、中国では日本ほどテレビが力を持っていないことだ。中国のテレビメディアは政府の統制下にあり、国民もそれを認識している。そのため「特に若い人たちにとって、テレビは老人向けのオワコンでつまらない。エンタメコンテンツは、もっぱらネットテレビや動画をスマホで楽しむものになっている」(上海在住のビジネスマンM氏)。上海や北京では街のWi-Fi環境も整っており、「通勤、通学時の電車なんて、誰もがネットで欧米、韓国、日本などのドラマや映画、歌手のMVを観ているのが当たり前の光景」(同)。さらに、90年代頃までの「“カワイイ”“オシャレ”といえば日本カルチャー」という常識は徐々に塗り替えられ、今や中国における韓国カルチャーはメインストリームに躍り出ているというのだ。

ドラマとアイドル両輪で中国に誕生した”韓流”

 実は、中国における韓流ブームは、ここ数年で勃興した一過性の“はやりもの”というわけではない。韓国のエンタメ企業は、日本市場よりもずっと早い時期から中国市場への戦略的な進出を進めてきたのだ。そもそも、日本でも広く韓国芸能の流行を表す“韓流”という言葉自体、90年代末~00年代初頭に台湾で生まれ、中国へ普及。その後、中国語圏全体で使われるようになったワードである。

 中国での“韓流”の立役者は、SMEから96年にデビューしたボーイズアイドルグループH.O.T.だ。韓国全土を熱狂させたその人気は台湾に渡り、そしてエンタメ市場が黎明期にあった中国大陸にも飛び火。00年には、1万2000人を収容する北京工人体育館でのコンサートを成功させている。

 同時期に、韓流の存在感を知らしめたのがテレビドラマだ。ブームの先駆けは、韓国で97年に大ヒットした『星に願いを』。主役を務めたアン・ジェウクは中国で元祖韓流スターとして名を馳せた。さらに、02年頃に輸入された『秋の童話』(韓国では00年に放送)と『冬のソナタ』(韓国では02年に放送)がブームを引き継ぐ。決定打は、05年に中国の大手テレビ局「湖南衛視」が放送した『宮廷女官チャングムの誓い』で、幅広い層の人気を呼んで社会現象を巻き起こした。その後も、女の子のバイブル的存在となった『フルハウス』、チャン・グンソクの出世作『美男ですね』など、コンスタントにヒット作が誕生。13年には『相続者たち』『星から来たあなた』が大当たりし、前者の主演俳優イ・ミンホ、後者で主演カップルを演じた女優のチョン・ジヒョンと俳優のキム・スヒョンは、中国人俳優をしのぐ人気を誇っている。キム・スヒョンは現在、自国のタレントを起用する企業が多い中国において大手IT企業テンセントのイメージキャラクターにも抜擢されるほどだ。

 このように韓流ドラマは継続的にヒットを生んできたが、それはK-POPもまた同様だ。この市場を耕し続けてきたのは、日本でもBoAや東方神起などの活動で巧みに市場へ食い込んだ前述のSMEだ。

「H.O.T.の成功を受け、SMEは戦略的に中国市場の開拓へ乗り出します。例えば、98年にデビューした神話は初期に中国語曲をリリース、04年デビューの東方神起は同年、中国語版を同時収録したアルバムを発表しています」(上海在住でK-POPウォッチャーのブロガー上海阿姐氏)

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