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【premium限定連載】芸能評論家・二田一比古の芸能ゴシップ今昔物語

山口百恵は“ゴミ”を漁ってもスクープに? 賞味期限切れの“松田聖子“に見るアイドルの価値

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――数々の芸能スクープをモノにしてきた芸能評論家・二田一比古が、芸能ゴシップの"今昔物語"を語り尽くす!

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『松田聖子 ヒットコレクション VOL.2』

 遅ればせながら、久しぶりに松田聖子の話題が「女性セブン」(小学館)に載った。内容は聖子が実母と実兄が役員を務める事務所を離れ、新たに個人事務師所を設立するというものだが、中身は聖子らしくスキャンダラスなもの。同誌によれば、新事務所は聖子の元恋人で専属マネージャーのA氏と一緒に設立したものという。

「聖子は昨年、歯科医のBさんと三度目の結婚をしましたが、その前に付き合っていたのがA氏と喧伝されていました。一時は聖子の豪邸の敷地内にA氏も住み、公私混同の仲といわれていただけに、これでは元彼と夫が顔を合わせることになる。聖子とA氏は男女の関係を超えた仲ともいわれますが、相変わらず聖子のやることは理解不能です(笑)」(芸能関係者)

 本来ならよくある芸能スキャンダル。ほかのマスコミも追随してもおかしくないが、後追い取材どころか、今回の記事を紹介するテレビもスポーツ紙もない。ワイドショー番組スタッフはこう話す。

「これまでの聖子ネタだったら"待ってました!"とばかりに後追いなどをやったものですが、今の聖子では触手が動きません。理由は聖子のスキャンダルがそう珍しいものではないこと。それと聖子の名前に視聴者や読者が飛びつかなくなったことです。ワイドショーとしての価値が聖子にはなくなっています。それこそ、郷ひろみと不倫でもすれば別でしょうが(笑)」

 要は刺激の強い料理が徐々にエスカレートするようなものである。より強い刺激を求めるのと同じように、聖子にも求めている。

 実際、聖子の全盛期は凄かった。郷に始まり、神田正輝と結婚。そして外人ダンサーとの浮気疑惑、離婚。再婚、再々婚と女性としてありとあらゆるテーマを提供してきた聖子。同時にアイドル歌手として最も輝いていた時代でもあった。旬の芸能人に飛びつくのはマスコミの常。当時のマスコミは「聖子で持っていたようなもの」と揶揄されるほどだった。元女性誌編集者が回顧する。

「聖子の離婚を報じれば、ライバル誌は離婚しないと報じる。俗にいう『マッチ・ポンプ』でしたが、彼女のネタを扱うと週刊誌は飛ぶように売れました。とにかく毎週、聖子のスキャンダラスな一面を追っていましたね」

 しかし、聖子はスキャンダルに限るという不思議な存在だったが、聖子の上を行くのがアイドル界の先輩・山口百恵さんだった。百恵さんはスキャンダルで売れたのではない。彼女の生き方が支持を受けた希有な存在だった。

「『なんでもいいから百恵の話をとってこい』と編集長は毎週の会議で指令していました。なんでもいいといっても記事にするには、それなりの材料が必要。百恵さんの仕事場に行ってもガードは固く、そうそうネタなど転がっていない。ならばと、百恵さんのルーツを探るべく出身地の横須賀に出向き、同級生や近所の人に当たり、子供の頃のエピソードを記事にしたものだった。それでも百恵さんの話を記事にしただけで週刊誌は売れた。売れれば必要以上にやるのが週刊誌。ネタがなくなるとついにはゲリラ的な雑誌も現れて、なんと、百恵さんの家から出た、ゴミを記事にした。『カップラーメンらしきものがありました。百恵さんが食べたのでしょうか』といった具合にね。思わず笑ってしまいましたが、捨てた物まで記事にするんですから、いかに百恵さんが凄いアイドルだったかがわかるエピソードでしょう」(ベテラン芸能記者)

 まさしく百恵フィーバーを象徴する談話である。百恵さんには光と影があった。その両方を対比させることで、世間に大きな関心を持たれた歌手だった。古き良き時代の話だが、今の芸能界で、名前だけでマスコミが飛びつく芸能人はいない。特にアイドルは――。

 昔は個のアイドルだったが、ジャニーズしかり、AKB48やももいろクローバーZしかり、今はグループのなかの個。結局、グループを外れてしまうと個に力の無さ、魅力のなさが露呈してしまい、個としての魅力が半減してしまう。

 多少衰えたとはいえ、聖子や中森明菜が未だにファンの支持を受けているのは、個の魅力があればこそだろう。芸能界の流行は繰り返す。「現在のグループアイドルはやがて衰え、次にはまた個のアイドルが台頭してくる時代が来る」と先読みして個のアイドルを発掘、育てている事務所もあると聞く。アイドルは時代とともに変化するものである。

ふただ・かずひこ
芸能ジャーナリスト。テレビなどでコメンテーターとして活躍するかたわら、安室奈美恵の母顔が娘・奈美恵の生い立ちを綴った「約束」(扶桑社刊)、赤塚不二夫氏の単行本の出版プロデュースなども手がける。青山学院大学法学部卒業後、男性週刊誌を経て、女性誌「微笑」(祥伝社/廃刊)、写真誌「Emma」(文藝春秋/廃刊)の専属スタッフを経て、フリーとして独立。週刊誌やスポーツ新聞などで幅広く活躍する。現在は『おはようコールABC』(朝日放送)、『今日感テレビ』(RKB毎日放送)などにコメンテーターとして出演。


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