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『クロサカタツヤのネオ・ビジネス・マイニング』第4回

「ブログを続けられるのは特殊技能!?  ブログ仕掛け人が語る個人メディアの未来」

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 今では誰もが知っているブログ。自分で書いている人は少ないかもしれないけど、有名人のブログやまとめブログを愛読している人は多いはず。そんなブログが日本に普及するきっかけを作ったのが清田いちる氏。日本で最初期にブログサービスを立ち上げたり、ブログメディアの編集長を務めたり、ブログを日本に広めるきっかけを作ってきた仕掛け人。個人による情報発信をエンパワーし続けてきた清田氏が考える、個人メディアの将来とは?

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↑画像をクリックすると拡大します。2013年3月19日配信のリサーチバンク「ブログに関する調査」より。

クロサカ 今回、清田さんに登場頂いたのは、個人メディアの話をしたいと思ったからです。インターネットが社会に普及し始めた当初、誰でも世界に向けて情報発信できることの可能性が強くうたわれました。

清田 アンディ・ウォーホールが「誰でも15分間は世界的な有名人になれる」と言いましたが、それが本当の意味で現実になったのは、インターネットが普及した今です。ネットメディアの発達の歴史を見ると、ブログが普及し始めた02年当初は、名もない個人が世界に発信するためのツールだったんだけど、5年ほど経った07年頃から専門家が自分の専門について情報発信したり、情報をシェアしたり、あるいは自分の能力を業界の内外にアピールするツールに変わっていったという側面があります。

 とにかく個人がツールを使って発信し続けると、何か魔法が生まれて、例えば就職に繋がったり、ネット広告でお金に繋がったりする可能性がある。これは若い人達だけじゃなくて、40代あるいは定年退職した65歳以上、どんな人でもその可能性がある。そういう開かれたプラットフォームが今、目の前に出てきたっていうのが、ブログ以降のソーシャルメディアです。

クロサカ ブログの台頭によって確かに情報発信のハードルが低くなり、個人のみならず企業の情報発信のあり方にも変化をもたらしました。そしてソーシャルメディアの時代が訪れると、今度はブログの役割も変わってきました。中には「ブログは終わった」という人もいて、実際に、僕もブログをほとんど更新していません。

清田 僕は今、実験的に自分でのブログ更新をお休みして、代わりにゴーストライターに書いてもらっています。ゲストアカウントを作って、それを「僕のブログを書きたい」と言う人にばらまいたから、どの記事を誰が書いているのか僕自身にもわからない状態(笑)。

クロサカ なんでそんなことをしたんですか?

清田 一番は、飽きたから。ブログで個人が情報発信しようとしたら、最初は簡単なんですよね。自分の中にあるものをそのまま書けば、自然とスタイルになって、それなりに読者が付いて面白がられる。でも、しばらくすると飽きるんですよ。僕も5年くらいですっかり飽きてしまった。でも、表現欲求そのものはあるんです。

 だから、飽きてからは、新しいスタイルを作る試行錯誤をしています。その点で、ブログはなんでも試せるからやりやすい。ゴーストライターに書いてもらう手法も、自分が10年間コツコツ書いてきたブログを、他人に適当に書いてもらったらどうなるか? という実験。そのくらい距離感を置いて、初めて見えてくるものがあるかもと思って。

 ブログを続けていると、必ず飽きたり炎上したりするので、それが原因で書くことを止めてしまう人がいます。一方で、ネットには新しいブロガーがどんどん登場します。でも、今までブログをやっていた人達に「自分が情報発信しなくても良いんじゃないか」とは思ってほしくないんです。どんな形でもいいから、この情報発信革命に参加し続けて欲しい。

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