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町山智浩の「映画がわかる アメリカがわかる」 第70回

ギャングと犯罪のるつぼ アメリカの小さな戦場

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雲に隠れた岩山のように、正面からでは見えてこない。でも映画のスクリーンを通してズイズイッと見えてくる、超大国の真の姿をお届け。

『エンド・オブ・ウォッチ』

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 アメリカ最悪の危険地帯であるサウス・セントラルを舞台に、メキシコ麻薬カルテルの秘密を知ってしまった2人の警官に迫り来る脅威との戦いを描く。撮影にはデジカムや車載カメラを採用し、よりリアルで臨場感のある映像表現を追求していることでも話題となっている。

監督・脚本/デヴィッド・エアー 出演/ジェイク・ギレンホール、マイケル・ペーニャ、アナ・ケンドリックほか日本では8月17日より全国ロードショー


 アメリカに刑事映画は山ほどあるが、制服警官を主人公にした映画は少ない。その中でベスト3を挙げるなら、リチャード・フライシャー監督の『センチュリアン』(1973年)、デニス・ホッパー監督の『カラーズ 天使の消えた街』(88年)、そして今夏日本公開される、デヴィッド・エアー監督の『エンド・オブ・ウォッチ』の3本だろう。

 実は3本ともロサンジェルス市警の、サウス・セントラル地区を担当する警官コンビの物語だ。

 ネリ・ロドリゲス(16歳)、アンナ・アルティガ(27歳)、メロディ・ロハス(0歳)、エメリオ・ペレス(17歳)……。これは、サウス・セントラル地区で、07年から13年4月までの5年間に殺された被害者67人の名前と年齢の一部。9割が銃による射殺。バラまかれた銃弾は、死者数の10倍以上になるだろう。

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