サイゾーpremium  > 特集2  > 2万部から140万部まで!村上春樹著作の【実売】事情
第2特集
村上春樹"100万部超"の作り方【3】

『多崎つくる~』の実売は6割程度? 下は3万部、上は140万部!村上春樹作品のホントの”売上冊数”

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──「早くもミリオン到達!」と報じられた村上春樹の最新作だが、大手書店や取次のデータを見ると、実際に“売れた”部数はまだ60万部弱。“バカ売れ”と言われる彼の作品が、実際にどのくらい売れているのか、客観的なデータを元に算出してみた。

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大手書店、取次のデータから算出『村上春樹作品98年以降の売り上げ』

 近年の長編作品は出版自体がニュースとなり、どれも圧倒的な売り上げを記録している村上春樹。ここではその作品群の売り上げを分析しながら、彼の作品がなぜ・どのように売れるのかを確認してみよう。

 分析の材料としたのは、98年より公開されている全国の紀伊國屋書店の一部店舗による「Pub Line」の売り上げのデータと、大手取次日販が2003年より公開している「トリプルウィン」のデータ。

 今回は、より正確な売り上げ冊数をはかるべく、出版業界が実売数の指針としている「PubLine」が公開されて以降に発売された作品に絞ってみた。

 人文書の場合、「PubLine」の数字は実際の売り上げの10%程度になるといわれているが、「文藝春秋や新潮社、講談社など大手出版社が発行する書籍で、ここまで部数が多い場合、その割合は薄まると言われている」(出版関係者)とのことなので、今回は業界の慣例に習い、7%に。そしてプラスαの要素として「トリプルウィン」のデータを用いて算出したのが上の表だ(再構成本、文庫は除く)。

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