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神保哲生×宮台真司 「マル激 TALK ON DEMAND」 第40回

トヨタのリコール問題を契機に「責任」の法文化を再考する【後編】

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日米間で露呈した深い感覚のズレ

神保 一連の問題を振り返ると、昨年8月にアメリカで、フロアマットの問題が浮上しました。トヨタ自動車は当初、「純正品のフロアマットを使用していれば問題ない」「2枚重ねで使っているのが原因だ」と、非を認めませんでした。今回私たちが取材をしていても、当初トヨタからは言い訳がましい言葉が返ってくることが多くありました。これはトヨタという企業の体質の問題なのでしょうか、それとも日本企業に共通する文化的な側面を持った問題なのでしょうか。

宮台 廣瀬先生がおっしゃるように、トヨタ自動車という企業固有の問題ではなく、日本の法文化によるところが大きいでしょう。例えば、85年にドイツのリヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー大統領(当時)が演説を行い、戦争被害に対する個人補償について「罪」と「責任」を明確に分けました。「ナチスの犯罪についてドイツ国家は謝罪しない。組織内のポジション、軍人だったのか市民だったのか、大人だったのか子どもだったのかによって、罪が変わる。それぞれに違う人間たちの罪を政府が代表して謝罪はできない。しかし、罪はなくとも責任は果たす。それは、人に貸した車が事故を起こした場合、自分に罪がなくても所有者として責任を果たすのと同じことだ」という理屈です。責任を果たすのはなぜかといえば、国際社会における存続可能性と共生可能性──具体的に言えば、将来の欧州統合におけるポジショニング──を考えてのことです。

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