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ある芸人の赤裸裸笑(小)説「ニューヨーク戦記」第9回

アメリカ人とうまく付き合う、たったひとつの冴えたやり方 〜あるいは、いかにして力士は身を清めるか〜

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〈前回までのあらすじ〉
コメディと英語を学ぶため、単身ニューヨークへ修行に来た芸人・中牟田。日本では本人不在の中でスキャンダルが報じられもしていたが、バラエティ番組のオーディションに挑戦したり、日本人が大多数とはいえ、彼目当ての客でコメディクラブを埋めたりと、日本での問題は忘れるほど、好調な毎日を送っているのだった。

 中牟田は、コメディショーに出演する傍ら、よく「オープンマイク」という場にも出ていった。コメディクラブやライブバーを会場に、コメディアンだけが出場するという、ネタの練習も兼ねた企画なのだが、彼はネタを毎週変えて出場していた。英語については、まずは自分で考えて、ネタを仕上げるときに、日本からの帰国子女や、日本に駐在していたアメリカ人に頼みながら、内容に即したしゃべり方にしていた。

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