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無声映画を広めたい

国民的アニメに毒を吹き込むタブー破りの活弁士の素顔

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 渋谷の小さなお笑いライブ会場。若手芸人たちに混じり、颯爽と現れた燕尾服姿の謎の男。彼こそが坂本頼光その人だ。スクリーンに映し出されるのは、なんと『サ●エさん』をパロった自作のアニメ『サザザさん』。サザザさんは「ギョギョ」としか言葉を発せない怪女で、波平は殿山泰司そっくり、タマに至っては着ぐるみをかぶった小池朝雄だ。シュールで毒々しい映像にあわせて活弁を繰り広げれば、会場は爆笑の渦に包まれる。

「『サザザさん』は5バージョンあります。作るのに半年かかっちゃうんですよ。凝り性なので(笑)」

 彼の本職は、戦前の無声映画に解説を加える活動写真弁士、つまり活弁士だ。全国に十数人いる活弁士の中で、30歳の坂本は最も若い。昨年は東京国際映画祭の企画で数千人を前に、大作『雄呂血』の活弁を披露した。本職でもトップランナーなのだ。

 そもそも彼が活弁士を志したのは、水木しげると時代劇映画を愛した中学生の頃。高校を中退し、怪優・山本竜二の付き人を務めながら無声映画専門ホールでデビューを果たした。90年代半ばの話とは思えない異分子っぷりだ。

「昔から、好きなことしかやりたくないんですよ。山本さんには、『好きなことをやるならそれで食え』という教えを受けました。ただ、カルト芸人のままでいるつもりもないです。無声映画も広めていきたいし、メジャーでも活動していきたいですね」

 細野晴臣や大槻ケンヂなど、彼のファンは増加中だ。坂本頼光の今後の活動に注目!

(大山くまお)

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さかもと・らいこう
1979年、東京都生まれ。97年マツダ映画社主催の話術研究会に入り活弁士修業を開始し、00年にデビュー。 ブログ「活弁士の分家」


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