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カルト映画ブームを巻き起こした鬼才が登場!

"キング・オブ・カルト"ヘネンロッターの最新作は死ぬほどヤバイ!

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米国カルト映画界の鬼才がホテルで死亡!?

 渋谷のホテルの一室で発見された死体は、米国カルト映画界の鬼才フランク・ヘネンロッター監督であることが判明した。フリークス兄弟の葛藤をグロテスクかつポエティックに描いたホラー映画『バスケットケース』(82)などで熱狂的なファンを持つ彼は、16年ぶりの新作『バッド・バイオロジー』のPRのために来日中だった。最期に本誌と交わした会話を再現したい。

「やぁ、16年も待たせてしまったね。作品のオファーはあったけど、『バスケットケース』シリーズの続編を撮ってくれとか、血がドバドバ出るスラッシャー系を頼むとかで、気の進む企画がなかったんだ。普段はビデオ会社に委託され、旧作をセレクションしてDVDとしてリリースする仕事をしているんだ。これはこれで楽しい仕事なんだけど、2カ月間休みをもらって新作を撮り上げたってわけさ」

 本作は、ヘネンロッター監督が久々に「撮りたい!」と本気で取り組んだ作品なんですね。8つのクリトリスを持つ女性と、巨大化した男根が自意識を持って動き回る男性が運命的に出会うストーリーは、あまりにも神秘的。現代のアダムとイブのようです。

「そうだね、新人類の神様の誕生を描いたドラマといえるかもしれないね(笑)。セックスコメディとして笑ってもらってもいいし、秘密を抱えた男女のシリアスな悲劇と考えてもらっても構わない。僕の作品は観た人が自由に解釈して、楽しんでもらえればいいんだ」

 そもそもホラーやフリークスに興味を持つようになったのは、なぜなんでしょうか?

「小さい頃からホラー映画を映画館のマチネで観て育ったんだ。でも、僕が一番怖いと思うのは超常現象ではなく、自分の体が病気や死によって、コントロールできなくなってしまうこと。実は本作の撮影直前の検診で、僕はがんだと宣告されたんだよ。自分の体の中に知らない細胞ができている。これは、まさに恐怖だよ。でも治療と並行して撮影を続けていたら、がん細胞が消えてしまった。医者も不思議がっていたね。つまり、僕にとって映画製作が最高のセラピーだったのさ!」

 ということで、ヘネンロッター監督は今もピンピンしており、自分が死体を演じている写真を見て大喜びしながらNYへと帰っていった。(長野辰次)

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『バッド・バイオロジー 狂った性器ども』
8つのクリトリスを持つ色情狂の女流カメラマンと肥大化したペニスを持つ内気な青年は、それぞれ自分の身体的な秘密を隠しながらNYで暮らしていた。しかし、2人は運命に引き寄せられるように出会ってしまう。
監督・脚本/フランク・ヘネンロッター 製作・脚本/R.A. ソーバーン 出演/チャーリー・ダニエルソン、アンソニー・スピード 配給/キングレコード+iae 6月6日よりシアターN渋谷にてレイトロードショー。

フランク・ヘネンロッター
1951年生まれ、NY在住。16mmで自主製作した『バスケットケース』(82)がカルト的人気を呼ぶ。寡作ながら、その後も『ブレイン・ダメージ』(87)、『フランケンフッカー』(90)などの怪作を発表。『バスケットケース3』(91)は仕事として嫌々ながら撮ったので気に入っていないとのこと。旅先で自分が死んでいる写真を撮るのが趣味で、写真集にしたいと考えている。


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