国家情報局ができても日本がスパイの「天国」である理由

今の世の中、理解不能な言動を取ったり、主体性がない判断をする人が多くないか?個が尊重される多様性社会といえば聞こえがいいが、アイツやコイツや、そして僕たちも、実は無自覚なまま、特定の権力者や情報に操られる「洗脳状態」になってはいないか? だから、脱洗脳のスペシャリストである苫米地英人博士に聞いてみたい。「僕たちは洗脳されているんですか?」


7月末、日本にようやく国家情報局が創設された。来年度末までには対外情報庁も発足するといわれ、防諜の司令塔がついに整ったかに見える。だが苫米地博士は「箱ができただけで、中身はこれからの話。まだまだ諜報機関とは呼べない」と喝破する。日本が「スパイ天国」と呼ばれる本当の理由、そして本物のスパイ組織に欠かせないものとは──。

“諜報機関”の中身は警察!?

――日本に国家情報局が創設されました。情報収集や防諜の体制を強化する動きですが、実効性のある組織になるのでしょうか?

苫米地 防諜機関を作ろうという議論は、第1次安倍内閣からずっと続いてきた話だよね。それが自民党と日本維新の会の合意でようやく形になって、内閣官房の内閣情報調査室を拡張する形で国家情報局ができた。来年度中には対外情報庁も作る流れだけど、いちばんの基盤に危ういところがある。それは、各庁からの寄せ集めとかそういうことではなく、官僚組織であり、すべて公務員だということ。一度公務員になれば、その日から国家公務員でも地方公務員でも特別職(自衛隊員等)でも、みんなデータベースに載る。日本のすべてのデータベースはハッキングされてると思うべきなんだよ。それがゼロトラスト(誰も信頼しない前提で守る考え方)であり、スパイの基本。だから全公務員は、本人はもちろん、家族の行ってる学校とか旅行先まで他国のインテリジェンスには把握されてると考えるべき。だからドラマのように自衛官の別班なんてあり得ない。あったら家族が人質に取られてアウト。それがスパイの世界だよ。

――まずは箱を作ってという考えはわかるのですが。 

苫米地 そこが官僚的。箱より中身なんだよ。本当の諜報、スパイ活動とは人の話であって、役所の話じゃない。まず国内向けを先に作ったけど、防諜機関ではあってもスパイ機関ではない。もちろん長年、公安の仕事として国内防諜には警視庁公安部があるし、公安調査庁もある。ただ公安調査庁も海外で自由に諜報活動はできず、実際は分析業務が中心。海外でのスパイ行為は、本来、殺傷や破壊工作などの戦争行為につながるから、犯罪への対処という警察行為しか憲法9条と国際法の縛りでできないわけだ。警視庁公安部も同じ。どちらも防衛省の下じゃないから、やれるのは警察・公安の枠組みだよ。国家情報局の初代トップも警察官僚。なのにみんな「諜報機関ができた」と言うからおかしくなるんだ。

――対外情報庁はどうなんですか?こちらは海外でのスパイ活動ができるんですか?

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