訴訟、副反応、報道、陰謀論……取り沙汰されてきた4つのワクチン

――時代によって非難されてきたワクチンはそれぞれ違う。ここでは、今に至るまでに忌避されてきた代表的なワクチンを紹介していこう。

『感染症とワクチンについて専門家の父に聞いてみた』(KADOKAWA)

●大人も感染する百日咳
三種混合(DPT)ワクチン

ジフテリア(diphtheria)、百日咳(pertussis)、破傷風(tetanus)の3つが一緒に入ったワクチン。通称DPT。国内では1968年からDPTワクチンの接種が行われていたが、百日咳の成分による脳症など副反応事故が発生したことから、75年には厚生省によりワクチン接種の中止が指示される。また、アメリカを中心とした欧米でもこの頃から、百日咳のワクチン反応が問題視され始め、ワクチン接種に否定的な報道が増え出す。

●「ワクチン=自閉症」のイメージ
新三種混合(MMR)ワクチン

麻疹(measles)、おたふく風邪(mumps)、風疹(rubella)の3つが一緒に入ったワクチン。通称MMR。国内では1989年から接種が開始されたが、おたふく風邪のワクチンの成分による無菌性髄膜炎が多発。国に対する訴訟が相次ぎ、93年には接種中止。98年には自閉症との関係を主張する医師が登場(のちに不正が発覚し論文は撤回)。世界中でワクチン接種をしなくなり、結果として10年代には欧米でたびたび大規模な麻疹が流行した。

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