『全裸監督』超えの問題作!?――いま配信で見るべき傑作ドラマ6選

――配信動画で過去の名(迷)ドラマをプレイバック!
※9月下旬現在配信がある作品です。予告なく配信が打ち切られる可能性もあります。

●セックスシンボルとしてのトヨエツ
『青い鳥』

脚本:野沢尚
出演:豊川悦司、夏川結衣
(TBS/97年/Paravi、Hulu ほか)

近年は『半分、青い。』の秋風先生など変人奇人役が多いが、『NIGHT HEAD』以来、90年代テレビドラマのセックスシンボルだった豊川悦司の頂点ともいえるメロドラマ。視聴率的には『愛していると言ってくれ』に及ばなかったが、長期ロケと二部構成の丁寧なストーリーで人気を呼んだ。実は豊川と貴島誠一郎プロデューサーの共同企画で、土着的日本社会(佐野史郎)と個人(豊川)の対立に巻き込まれて死んだ女(夏川結衣)に囚われ、滅んでいく男たちの物語という舞台演劇的な裏テーマが存在している。そのため、助演の佐野や演出の土井裕泰など、アングラ劇団出身者でスタッフが固められていた。野沢尚脚本の最高傑作でもある。

●90年代の社会不安を巧みに反映
『ケイゾク』

脚本:西荻弓絵 ほか
出演:中谷美紀、渡部篤郎
(TBS/99年/プライムビデオ、Hulu、TBSオンデマンド)

90年代中盤のテレビドラマは地下鉄サリン事件などの社会不安を反映してか、香取慎吾の出世作となった『沙粧妙子―最後の事件―』や『あなただけ見えない』など、サイコスリラー色の強い作品が目立ったが、本作は刑事ドラマでありながら、小劇場演劇風の虚構性が強い世界観や滑り気味の小ネタギャグ、『ジョジョの奇妙な冒険』第5部や『多重人格探偵サイコ』の影響をうかがわせるマンガ的なキャラ立て、演出・堤幸彦の極端な映像志向で異彩を放ち、00年代以降の若者向けテレビドラマに強い影響を与えている。10年代の『SPEC』『SICK'S』は続編だが、こちらは海外ドラマ『HEROES』の影響を受け、超能力ものになってしまった。

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