【Mr.Q】一世を風靡したヤバスギルスキル。日本語ラップ界の雄が完成させたヒップホップ×エンタメの快作

――ラッパ我リヤのMCとしても活躍の場を広げるMr.Qが“本気”を見せたソロアルバム。昨今のヒップホップ・ムーブメントを、さらなる高みへと押し上げる作品の完成だ。

(写真/岩澤高雄)

 2月某日、爆音と共に渋谷スクランブル交差点を走り抜ける1台の大型トレーラー。それと同時に交差点を囲む3つの大型ビジョンをジャックした主こそが、90年代から日本のヒップホップシーンの最前線で活躍するグループ、ラッパ我リヤのメンバー、Mr.Qだ。この施策は、彼が先ごろリリースした2枚目のソロ作『Let's Get!』の宣伝の一環として行われたもの。さらに彼のツイッターやインスタグラムなどを見ると、ミュージシャンや俳優といった芸能人から政治家まで、多数の有名人のコメント動画が並ぶプロモーションも展開されている。

「25年活動してきて、縦や横のつながりを含め、自分たちの世代は成熟したと思うんです。そんなパワーを形にしたのが『Let's Get!』。今回の作品は〈The Money〉というクルーの存在が大きくて、ITをはじめ、いろんな業界で成功した方々と組んだクルーなんですけど、個の発信が強くなってきた今だからこそ、成熟したヒップホップとエンタメをつなげたくて、彼らと曲を作ることにしたんです」

 そのThe Moneyのパワーを見せつけたのが、アルバムタイトル曲のMVだろう。2億5000万円分の札束が撮影現場に用意され、さらにMr.Qがラップしながら箱乗りするのは、7000万円を超えるランボルギーニ・アヴェンタドールだ。

「全部メンバーの私物で、借りものは一切ない。東京の大人の格好良さの本気を見せたかった」

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