動物写真の父 ジョージ・シラス3世

「3匹の白尾シカ」(ミシガン州ホワイトフィッシュ湖/1893-1898年)(c)National Geographic Creative Archives

 森の暗がりや闇夜で動き回る野生動物たちの姿を写真でとらえることは、カメラのテクノロジーが進んだ今でさえ簡単なことではない。彼らの警戒網に引っかかれば、彼らは即座にカメラの前から立ち去ってしまうからだ。

 アメリカ・ペンシルバニア州出身の写真家で博物学者のジョージ・シラス3世は、19世紀末から20世紀初頭にかけて動物写真の撮影に心血を注ぎ、独創的な撮影法によって「動物写真の父」と呼ばれるようになった。シラスの写真は、1 9 0 6年7月の「ナショナル・ジオグラフィック」誌に大々的に写真が掲載されたことで注目を集め、記事を見たセオドア・ルーズベルト大統領から本を出すように提案する手紙が来たほどだったという。ストロボの光に白く浮かび上がる動物たちの神秘的な姿は、さぞ当時の読者を驚かせたことだろう。

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