【チャラン・ ポ・ランタン】――「ダメになったら道端の大道芸に戻ればいい」姉妹が作る音楽のサーカス

――無国籍な音楽を鳴らして華やかなライブを行い、『ポンキッキーズ』(フジ)などにも出演する、不可思議姉妹ユニット。今夏メジャーデビューも果たした彼女たちの見世物小屋舞台裏を、覗かせてもらった。

(写真/河西 遼)

 どんな音楽か、といわれると説明が難しい。歌謡曲のようでシャンソンのようで、サーカスのような艶めかしさと妖しさが香るけれどキッチュともまた違う、ダメ男と別れるのに”手切れ金”57万円を支払った過去の実話を歌う自虐も漂う──それがチャラン・ポ・ランタンだ。アコーディオン担当ですべての詞曲を手がける小春と、ボーカルのもも、2人が09年に「実家の部屋で成り行きで結成」(公式プロフィールより)した、実の姉妹によるユニットである(小春が姉、ももが妹)。以来、矢継ぎ早なアルバムリリースと並行して、年間100本を超えるペースでのライブ、そしてフジロックや朝霧JAMなどの大型フェス&海外イベントへの出演を果たしてきた。

小春「結成前、私はずっとインストバンドをやっていて、歌モノはやってなかったの。でもあるとき歌詞を書いてみて、『書いちゃったから誰か歌ってくれないかな』と思ったら、部屋に暇そうな人がいたので。全然、歌ってるのなんか聴いたこともないのに、誘っちゃった」

もも「『お前、歌とか歌えんの?』って言われて、『まぁカラオケは行くけど』『曲書いたから歌って。ライブの日取り決まってるから』『……はぁ』って引き受けたのがきっかけです。姉妹ですけど、その頃あんまり会話もなかったから、ぎこちない感じでしたね」

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