「ソニーに足りないのは、デザイン力!」SCE創業時メンバーが語る泣き所

──特集【1】では、SCEがソニーの“救世主”となる可能性について見てきた。そこで、SCE創業時のメンバーであり、現在は株式会社ラルクスの代表取締役としてゲームプロデュースに携わる赤川良二氏に、同社の展望と平井社長の人となりを聞いた。

赤川氏の著書『縁を幸運にかえる 成功をつかむ赤川式チームマネジメント7つの法則』

 僕はSCE在籍時の2008年に、PS3上でオンラインサービス「PS Home」の日本におけるサービスを立ち上げました。PS Homeは、PSNを介してアバターを操作し、全世界共通でデータコンテンツを販売できるように設計されたサービスで、非常にクラウド的なサービスであったといえます。

 実は、PS2の発売される00年頃から、PSの“生みの親”といわれる久夛良木健さんは、“ネットワークの構築”と、そのネットワークを利用した“エンターテインメントコンテンツの配信”というビジネスモデルを、「e-Distribution構想」として打ち出していました。しかし、当時は、課金システムやサーバー構築、セキュリティ管理をゲーム会社1社でやるのは難しく、正直思ったような成果は上げられませんでした。

 ネットワークとコンテンツの融合は、それくらい昔からSCEの根幹にあったビジョンでした。このモデルで一番成功したのが、アップルのiTunes Storeです。iTunes Storeは、消費者に“欲しい曲はバラ売りで安くダウンロードするもの”と価値転換をさせた。その上、配信側が価格決定権を握ることで、定価販売を義務付ける再販制度といった利権に守られてきた従来のビジネスモデルを崩しました。今後のSCEでも、PSNを窓口としたライセンスやコンテンツ販売というビジネスモデルが中核になっていくはずです。

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2024.4.28 UP DATE

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