元BEAMSクリエイティブディレクター・梶原由景が心酔「ソニーは家電なのに"文化"を感じる」

梶原由景(かじわら・よしかげ)
1965年、福岡県生まれ。通信からサービス、家電メーカー、ファッションブランドまで幅広い業界にクライアントを持つクリエイティブ・コンサルティングファームLOWERCASE代表。元BEAMSクリエイティブディレクター。ガジェットや美食への造詣も深い。

──思い出の製品というと。

梶原由景(以下、) ソニー製品は「MUSICAN」です。30年近く前に父親が妹に買い与えたものでしたが、いつの間にか僕が使うようになりました。大学時代はもちろん、10年以上はベッドサイドに置いてあったと思います。最後のほうはテープが再生できなくなりFMラジオを聴くだけでしたが、なぜか捨てられず今でも手元にあります。で、残念ながらパナソニックには何も思い入れがありません……。

81年に発売された、ソニーのMUSICANことCFS-11P。「気軽に外に持ち出せるラジカセ」というコンセプトが斬新だった。

──MUSICANのどのあたりに愛着を?

 名前が表すように「音楽の缶」というのが、デザイン的に面白かった。機能的にも十分だし、僕にとっての「ソニーらしさ」を見事に体現していた製品だと思います。

──昨今、ソニー、パナソニック共に経営的な苦境に立たされていますが、両社に対する以前のイメージはどんなものでしたか?

 ソニー製品は、機能とデザインのバランス、もしくはデザイン自体が機能となっているところに感銘を受けますね。そのせいか、家電メーカーなのに「文化」を感じるんです。一方、パナソニックはプロダクトを目指して買うというより、「必要な機能」として手に入れることが多い。室内の空気を綺麗にしたくてナノイーの空気清浄機を買いたいとか、ですね。

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