辛口覆面作家マネー・ヘッタ・チャンが斬る「寄付金につきまとう "慈善"と"偽善"のワナ」

──業界を問わず、経済にまつわる世の中のカラクリを童話仕立てに暴露することで話題のビジネスサブカルチャー作家、マネー・ヘッタ・チャン氏。堀江貴文氏も絶賛した5万部ヒットのデビュー作『ヘッテルとフエーテル』(経済界)に続く最新刊『マッチポンプ売りの少女』(あさ出版)では、「日本ユニクス」と「アグデス・チャン」という架空の設定を借りて、募金団体の暗部をあぶり出している。そんなヘッタ・チャン氏に、寄付と援助に対して、市民に欠けている視点について聞いてみた。

当社来訪時のマネー・ヘッタ・チャン氏。女装は自衛のため? それとも趣味?

 日本の募金の問題はね、募金が募金者の自己満足でしかなくて、中長期的な視点で行われないことなのでぃす。東日本大震災には、何千億もの募金が集まり、人によっては「日本人はまだまだ捨てたもんじゃない」と思ったかもしれないわ。でもアチキには、寄付をしたりしなかったりすることが、とてもアンバランスに思えるの。今回の震災での死傷者、行方不明者合わせて約2万5000人、被害者はその数倍いて、誰にとっても辛いことなのはよくわかるわ。でも、自殺者は毎年3万人以上いるのに、なんでこっちは連帯して助け合わないの? 1000年に一度の震災で亡くなった人たちと、自ら死を選んだ人たち(理由の上位は金銭的理由)の差はどこなんでぃすかね? 彼らにも家族や友人がいて、同じような欠落感を味わっているのにね。

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