ノンフィクションに「先生」は要らない! 若手作家の前途に立ちはだかる大御所の弊害と"資金難"

──当特集【1】内でも述べてきた通り、若い書き手を取り巻く状況は、決して良好とは言い難い。ここでは、立ちはだかる壁への声をピックアップしてみる。

佐藤優氏編集による『現代プレミア ノンフィクションと教養』

「もともとノンフィクションは、『高名な作家が書けば売れる』という世界とは違う、泥水の世界なんですよ。ネタありきだし、体を張っていろんなところに行く必要があるし、ただ書いただけじゃ受けないから、文章を鍛えなきゃならない。編集者は、作家にも厳しくしなくちゃならない。それがいつの間にか『先生、先生』という世界になってきた」と嘆くのは、大手版元の雑誌編集者だ。

 これまでノンフィクション作品は、まずは月刊誌や週刊誌で連載して単行本化、うまくいけば文庫化、というルートで出版されてきた。となると必然的に、その全てを備える大手出版社が最も強いということになる。

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