『星を追う子ども』のジブリ劣化コピーっぷりは、ちょっとやり過ぎた「実験」だった!?

──大人も楽しめる日本のハイクオリティ・サブカルチャーのひとつ、アニメーション。日々進化し続ける技術と想像力に、どうついていったらいいのだろうか……。アニメの真の魅力を浮き彫りにする新批評。

2011年7月号 ANIMATIONクロスレビュー

■新海誠、久々の劇場長編は如何?

(C)Makoto Shinkai/CMMMY

『星を追う子ども』
原作・脚本・監督/新海誠
美術監督/丹治匠
出演(声)/金元寿子、入野自由、井上和彦
配給/メディアファクトリー、コミックス・ウェーブ・フィルム
公開/5月7日
少女アスナはある日、地下世界「アガルタ」からやって来たという少年・シュンと出会うが、彼は直後にいなくなってしまう。もう一度会いたいと思う彼女の前に、彼の弟と、アガルタを探す教師モリサキが現れ、アガルタへの扉が開く。『秒速5センチメートル』の新海誠による久々の長編。

【ライター・有田評】
★★★☆☆☆☆☆☆☆
過渡期の習作と思えばまずまずだが
一般向けアニメ映画を目指すと、なぜかジブリをお手本にしてしまう。という日本アニメの想像力の貧困さが大きな影を落としている。とはいえ完全に一般に開かれているかというとそうでもなく、随所に見え隠れするセカイ系なノリがやたらと鼻につく。特にオチの誤魔化しぶりはかなりきついものがある。『ほしのこえ』以降、定着してしまった抒情的な作風を払しょくしようと、新たな方向性を模索しているのだろうか。次回作への陣痛のような作品だと思いたい。

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