自殺は個人の問題ではない! 社会問題解決のため、我々がなすべきこと【後編】

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眼前の当事者の救済と長期的な環境作りの両輪

荻上 せっかくですので、自殺統計で明らかになった、特に強調すべき成果、特筆すべき傾向というのをあらためて語っていただけますか。

清水 やはり、地域によって亡くなる人の職種や立場が違うし、それぞれの属性によって抱えている要因も違うという、地域特性の存在ですね。失業率や有効求人倍率の問題が高いからといって一律に自殺が増えるということではなくて、その問題が連鎖、拡散しやすいような地域状況にあるときに、自殺の問題として表面化してくる。秋田では経営者の自殺率がどんどん下がっているのに対して、北海道では土木建築業者の自殺率が、青森であれば農林漁業者の自殺が多い。東京でも、足立区では失業者の自殺が多いし、練馬区では主婦の自殺が、新宿区では20代女性の自殺が多いとか、地域によってどういう職種、どういう立場の人が多く亡くなっているのかは、大きく異なっている。

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