水戦争でもガラパゴス化!? 民主政権に欠如する世界戦略

 水と安全はタダだと信じている日本人だが、地球を覆っている水のほとんどは海水。人類がそのまま利用できる淡水は、地球上の総水量のわずか0.01%にすぎない。

浜田和幸氏の著書『中国最大の弱点、それは水だ!』

 さらに、地球規模の産業発展や人口増大、森林破壊により、水需要の増大と水源の喪失は反比例し、いまや世界各国は水を、石油と同等の「天然資源」 と位置づけているのだ。

 水が資源なら取引市場で投機の対象となるのは必然。「水メジャー」と呼ばれるヴェオリア社やスエズ社(共に仏)などの巨大水企業は、IMFなどの融資でめぼしい水源地を押さえにかかる。昨今話題の中国資本による日本国内の森林買い漁りも、目的は水資源確保だと見る向きは多い。

 13億の民を抱える中国の水不足は相当深刻だ。2008年には中国がインドとの間に流れるブラマプトラ川をダムでせき止め、中国東北部へ引き込もうと計画していると米メディアが報じると、同河川で約1億人分の飲用水を賄っているインドは「無謀な計画」と激しく非難。「中印が水をめぐって軍事衝突の危機」と注目を集めた。こうした争いはアメリカ・カナダ間にも存在し、水利権をめぐる国際紛争は今後ますます増加しそうだ。

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