評論家・荻上チキが語る「出会いが偶然に依存せず、逆に高まる親密圏の重要性」

【5】では、教育学の観点からデジタルネイティブの性生活について語ってもらったが、サイゾー連載陣のひとり、荻上チキ氏によると、豊富な実証データから見た現在の10代は、意外にも保守化の一面もあるという──。

ケータイの出現は若者のコミュニケーションを大きく変えたが、性行動そのものはどうなのか......?

【話をお聞きした識者】
コミュニケーション分析の立場から若者を論じる
荻上チキ(評論家)

──ケータイやインターネットの普及により、10代の性行動にはどんな変化が?

荻上チキ(以下、) 日本性教育協会の調査で興味深いデータがあります。ケータイメールのヘビーユーザーは、性交経験率、性交経験複数化率(性交経験相手数が3人を超える者の割合)が伸び、平均交際期間が短くなる。ナンパ経験や合コン参加率も高い。一方でパソコンヘビーユーザーは、アダルトサイトの閲覧経験が伸びる。これは、単純にケータイやパソコンを持ったからセックスや自慰の回数が増えた、というわけではなく、おそらく相互的な関係です。長時間ケータイを使う人というのは、それだけ交友関係が広くてコミュニケーションに積極的。一方でパソコンをヘビーに使う人は、ネットコンテンツに関心が高く、ネット利用が常態化しているので、パソコンを利用した自慰の回数も多いのでしょう。

──では、より直接的にデジタルツールの影響を受けたと考えられる動向は?

今すぐ会員登録はこちらから

人気記事ランキング

2024.4.29 UP DATE

無料記事

もっと読む