『テルマエ・ロマエ』は凡作!?──気鋭の評論家がマンガ大賞作品辛口レビュー【前半】

──3月17日、『テルマエ・ロマエ』が大賞に決定した、2010年マンガ大賞。同賞のノミネート作品全10作を、本誌連載陣の批評家・宇野常寛と、気鋭のマンガ評論家である麻草郁&森田真功がメッタ切り!"マンガ読み"必読のクロスレビューで、大賞の真価にまで揺さぶりをかける!

「マンガ大賞」公式HPより。

 08年にスタートし、今年第3回を迎えた、比較的新しいマンガの賞レース「マンガ大賞」。選考年の前年1月1日~12月31日までに単行本化されたマンガ作品を対象に、「友達に勧めたくなるマンガ」を、マンガ好きの有志選考員が選ぶことをコンセプトとしている。主催は、書店のマンガ担当をはじめ、各界のマンガ好きで構成されるマンガ大賞実行委員会で、当事者であるマンガ家や編集者などは選考に参加しない。いわば、本屋大賞のマンガ版といったところだ。

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