「障害者」から「チャレンジド」へ 首相ご推薦の新呼称は定着するの?

言葉狩り

差別用語や、それに類する単語に対して過剰に反応し、使用を制限する問題。昨今ではむしろ、メディア側の行き過ぎた自主規制を問題視する声も大きくなっている。
目新しい言葉を持ち出せばいいってもんじゃないですよ、首相!

「チャレンジド(challenged)」という言葉をご存じだろうか?アメリカで「障害者」を指す呼称として認知されているもので、提唱者はジョン・F・ケネディ米大統領。1962年の議会において、「障害者も健常者と変わらず納税できるような社会を作るべき」と訴える際に初めて使用されたのだが、それから47年たった昨年12月11日、我が国の鳩山由紀夫首相も中央障害者施策推進協議会にて、障害者への差別を禁止し、社会参加を促進する障害者権利条約の締結へ前向きに取り組む姿勢を強調するとともに、「『障害者』という言葉よりも、『チャレンジド』のほうが望ましい」との意見を表明した。これまで「障害者」の呼称については、「『害』という字に良くないイメージがある」として、地方自治体や福祉団体を中心に「障がい者」や「障碍者」などに改めようとする動きが幾度となく見られたものの、いずれも世間一般に定着したとは言い難い。それどころか、一部では「過度な被差別意識から"言葉狩り"の域に達している」といった批判の声も上がっている。今回、日本政府のトップによって提案された「チャレンジド」ははたして定着するか否か、言葉の変移に詳しい新語アナリストの亀井肇氏に意見を伺った。

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2024.4.27 UP DATE

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