破綻国家アフガンの真実と腐敗構造に消える日本の金【前編】

 海外の安全保障政策において、現在、鳩山政権はある懸案事項を抱えている。インド洋給油活動に派遣されている、海上自衛隊の撤退問題だ。政権交代の選挙公約として掲げてきた同問題、周知の通り、アメリカからの強い要望があったものの今更撤回するわけにもいかず、その代案として掲げたものがアフガニスタンへの貢献策だ。だが、日本政府の代表としてアフガニスタンの武装解除に従事し、つい最近もアフガニスタンを訪問したばかりの伊勢﨑賢治氏は、「もはやアフガニスタンでは、ほとんどの民生支援は事実上不可能に近い状態になっている」という──。

【今月のゲスト】伊勢﨑賢治(東京外国語大学大学院教授)

神保 米軍普天間飛行場の県外移設や、インド洋に派遣している海上自衛隊の撤退を主張してきた民主党が政権の座に就きましたが、11月13日の米オバマ大統領の来日時には、鳩山政権はこれらの結論を先送りにしてしまいました。普天間の問題も重要ですが、海上自衛隊の撤退の代わりに日本が行うアフガニスタン支援をめぐる議論が尽くされていないことが気になります。

 今回は日本政府の代表としてアフガニスタンの武装解除に取り組んだ経験があり、先ごろも同国やパキスタンを訪問してきたという伊勢 賢治・東京外国語大学大学院教授を招き、アフガニスタンで日本がすべきことをテーマに議論を進めたいと思います。まずはアフガニスタンの現状について教えてください。

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