ウワサの最高益企業「餃子の王将」突撃レポートで探る"強さ"の秘密【1】

――この不況下に、過去最高益を上げたイケイケ外食チェーン、餃子の王将。各店ごとのオリジナルメニューなどでも有名な同社の強さの秘密に迫るべく、ファンも多い有名店で勝手にバトル。いちばんウマい王将は、ズバリここだっ!!

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 気が悪くなると、消費者が真っ先に控えようとするのが外食費。この長引く不況下、当然ながら外食チェーン産業は全体として低迷を続けており、比較的堅調なのは、商品単価の安い一部のファーストフードチェーンぐらいのものだ。中でもファミレスの苦戦ぶりは痛ましいほどで、既存店の売上金額と利用客数は、1997年以降、12年連続で前年比を下回る(日本フードサービス協会調べ)という散々なありさまである。

 そんな逆風の中、直営店全店ベースで71カ月連続して前年同月比100%超の売上金額を記録している、驚異の外食チェーンがある。ご存じ、「餃子の王将」(株式会社王将フードサービス、以下「王将」)だ。「早い、うまい、安い」という、どこかで聞いたようなキャッチフレーズに、「手作り感」というエッセンスを加えた経営方針のもと、全国に535店舗(直営348店、フランチャイズ187店、09年6月現在)を展開。1000店舗達成を目標に、拡大路線を驀進中の大手中華料理レストランチェーンである。

「餃子の王将」公式ホームページ。

 多くの関西人にとって王将といえば、行きつけの店舗があるほどなじみ深い存在。雨上がり決死隊のトーク番組『アメトーーク!』(テレビ朝日、08年7月24日放映)で、"餃子の王将芸人"たちが熱く語った"王将愛"に、共感した人も多かっただろう。一方、関東以北在住者、特に東北人や道産子の中には、食べるどころか、店舗を見たことすらない人も相当数いるはず。というのも、北海道、東北、甲信越に、王将は1店舗もないからだ【註】。全店舗の分布を地域別に見てみると、全体の6割弱に当たる314店が近畿に集中し、以下、関東91店、東海65店、中国23店、九州18店、北陸16店、四国3店、海外(中国・大連市)5店となっている。

 そのため、関西人が、引っ越し先などで王将の認知度の低さに愕然とするのもよくあることだ。関西人が王将に どれほど慣れ親しんでいるか、イメージのわかない人のために、全国に1125店舗(09年5月現在)ある「ケンタッキーフライドチキン」(日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社、以下「ケンタッキー」)を引き合いに出してみよう。ケンタッキーは、東京に140店(人口10万人当たり約1・1店)ある。これに対して王将は、大阪に同数の140店(同約1・6店)、京都には55店(同約2・1店)。要するに、人口当たりの店舗数で単純化すれば、大阪・京都人にとっての王将は、東京人にとってのケンタッキーより、約1・5~2倍も身近というわけだ。

 王将の強さの秘密として真っ先に挙げられるのは、サービスを他のレストランチェーンのように画一化せず、各店の立地条件や客層などに合わせ、各店長の判断に委ねている点だ。約40品目のグランドメニューとその価格こそ決められているが(関東圏と関西圏とでは若干異なる)、味付けや店舗作りなどは店長の裁量次第。セントラルキッチン・システムにより、半生状態で工場から店舗へ配送される看板商品の餃子でさえ、手巻きの仕方や味加減、焼き具合などは店舗によってかなり違う。さらに、各店舗ごとに、多いところで20種類以上のオリジナルのメニューやセットを用意しており、その店でしか味わえないものも多数存在する。

おおいににぎわう餃子の王将・渋谷ハチ公口店。写真/田中まこと

 今回、本誌取材班が大口駅前店(横浜市神奈川区)を訪れた際、王将の柔軟性を象徴する出来事に出くわした。同店はJR大口駅に隣接し、すぐ前はロータリー。タクシーが客待ちの列をなす中、1羽のカラスが元気なくうずくまっていた。心配した1人のタクシー運転手、開店1時間前の大口駅前店に近寄り、「カラスにやるから、生の餃子ちょうだい。1個だけ」と無茶を言う。餃子の販売は通常6個単位(関東圏231円)、しかも開店前だ。ところが店長らしき従業員、「生餃子1個、38円です」とにこやかに即答! こんな弾力性に富んだ見事な対応が、他のチェーンで可能だろうか?そんな大手レストランチェーンらしからぬ魅力に溢れる王将。店舗によってどれほどの違いがあるか、非常に気になる。そこで今回、各店舗の味や価格、オリジナリティなどを独自にチェックしてみた。その一部を、次ページ以降でバトル形式で紹介するとともに、最終的には、全国535店舗の頂点に立つ"最強店舗"を勝手に認定!調査対象がごく一部(約20店舗)にすぎない点については、シャレ企画ゆえにどうか大目に見ていただきたい。

【註】「青森や岩手にもちゃんとあるぞ!」と憤慨する読者もいるだろうが、おそらくそれは「大阪王将」(イートアンド株式会社)のこと。北海道などを除く日本各地と香港に約200店舗を展開している。のれん分けによって「餃子の王将」から独立したまったく別のチェーンなので、、本記事では除外している。

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