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『西国分寺哀の「大丈夫?マイ・フレンド」』【34】

出会ったのが独身中年男性だったら、なんの問題もなかった――【由美子】の夢は夜ひらく

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『高橋由美子』

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『南くんの恋人 DVD-BOX』(ポニーキャニオン)

「週刊文春」(文藝春秋)3月22日号にて、妻子ある一般人男性との不倫が報じられた女優・高橋由美子。最近では、「女優なのに酒好きで豪快」と、佐藤仁美とキャラが被りつつあったが、不倫が上乗せされたことで、一歩抜きん出るかたちとなった。


 20世紀最後の正統派アイドル――。

 高橋由美子、デビュー当時のキャッチフレーズである。「週刊文春」3月22日号に掲載された一般人男性との不倫報道のせいで、30年近くたった今、このキャッチフレーズが皮肉的に使われるという状況を一体誰が想像したであろうか。本人にしてみれば「え! まだソレ言われるの!?」といった、クリエイターが何かっていうとザ・ブルーハーツの名曲を引っ張り出してくるような、そんなうんざり感があるかもしれない。

 そして、この「キャッチフレーズがあだとなる」問題。今のアイドルの娘たちだって、決して他人事ではないのである。もうね、こんなご時世なのだから、いっそのこと、ある程度の事態を想定してつけておくべきではないだろうか。

「はい! 好きになったら一直線!! 奥さんがいても構いません! 不倫も辞さない純愛アイドル・姫田 恋(ひめた こい)です」

 こんなふうに周囲を慣らしておくことが、後々のリスク分散になるのだ。状況はまったく違うが、小泉今日子だって、豊原功補と交際していたのはなんとなく皆知っていたわけで、その下地があったからこそ、突然の不倫告白であっても焦点が「え!? なんで公表したの?」にズレた感じは否めない。こういったマイナスのイメージ戦略というものが、今後必要になってくるのである。

 で、今回の高橋由美子の不倫報道だが、記事を読む限り、男のほうが「好きになっちゃった。嫁と別れるから付き合ってほしい」とアタックをかけてきたという、不倫男の典型的なタイプである。高橋のほうも相手が別れてから付き合えばよかったという非はあるものの、女としてこう言われたら、心ひかれるものがあっただろう。

 腹立たしいのはこの男、学生時代から高橋のファンだったようである。そりゃそんな人が目の前にいたら好きになるっつーの。そんなこと言ったら、私だってファンである。正確にはアイドル時代のファンだったわけだが、世間が彼女の代表作として『南くんの恋人』(テレビ朝日系)を挙げるなか、私は森脇健児と共演した『お願いダーリン!』(フジテレビ系)を挙げる筋金入り。ヒットシングル「友達でいいから」は、まさに私の気持ちを歌ってくれていると勘違いしたほどだ。だからこそ、出会ったのがこの男ではなく、例えば私のような独身中年男性だったら、なんの問題もなかったのにと思うと悔しくてならない。

 まだ私が10代だった頃。芸能人と一般人の間には越えられない垣根があった。それが今はどうだ。「会いに行けるアイドル」が氾濫し、ファンや一般人と交際・結婚することがアリな雰囲気になりつつある。そんな時代の変化を羨ましく思いつつ、指をくわえて見ていた我々の世代にも、ようやく光が見えてきた。

 青春時代のアイドルたちが未婚、もしくはバツイチの独身状態で、普通に街中で飲んでいたりする昨今。そもそも今回の不倫だって、飲みの席で知り合ったのが発端である。耐え忍んでいれば、いつかチャンスはめぐってくる。そんなときに妻子ある人間に邪魔をされては困るのである。安倍政権もね、「結婚したら不倫禁止。やったら死刑!」くらいの法案をそろそろ考えてもいいんじゃないだろうか。

 こういうことを言うと「人の気持ちが新鮮でいられるのは、最長で3年。だから結婚しても恋をするのは自然なことなんです」などと生ぬるいコメントをする恋愛カウンセラーみたいな奴がいるが、そんな心のメカニズムの話をしたいのではない。ダメなものはダメ! じゃないと僕たちみたいなのがあぶれちゃうから!! さっき不倫禁止って言ったけど、やっぱ一度結婚したら、それ以降は現世での恋愛禁止。それぐらいの覚悟を持って臨んで! だいたいね、小倉優子や安田美沙子と結婚しといて浮気するようなバカがいるぐらいなのだから、それぐらいしないとダメですよ。つーか、芸能人と結婚した場合は、現世どころか来世でも恋愛禁止。もはやそんな神レベルの規律でもって結婚というものに向き合っていかなければ、不倫、少子化、孤独死の問題は解決しないのではないだろうか。

 そう考えると、現在41歳独り身である私は、実は前世で井伊直虎(柴咲コウ似を想定)あたりと人知れず結婚していたのかもしれない。最近は自分に、そう言い聞かせて眠りに就くようにしている。

西国分寺哀(にしこくぶんじ・あい)
出会いを求め、一人飲み歩く40代男。好きな女性芸能人が「家で飲むのが好き」とコメントしていると「ああ、この人とは出会えないんだな」と暗澹たる気持ちになる。


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