>   > 【小池都知事】は本に何を描くか?

歴代の都知事たちは、自分たちの政策をどう考え、どう評価したのか。美濃部以降の歴代都知事が自らしたためた都政に対する書籍“都知事本”では、前任者・後任者へのディスや己の政策へのドヤ顔などが満載だ。まだ就任したばかりの小池百合子も早速出版している都知事本を読み比べしてみよう。

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『都知事―権力と都政』(中央公論新社)

 東京都知事は全員、本を出している。本稿で調べてみるまで、そんなことを考えたこともなかったのでちょっと驚いた。戦後の1947年に初代・東京都知事(それ以前は東京都長官と呼ばれていた)に就任した安井誠一郎は、『東京私記』(都政人協会)というエッセイを出版。また59年から2期を務めた東龍太郎はスポーツに造詣が深く、スポーツ関連の本を多数出版している。ある意味で都知事は作家でもあるともいえる。ならば、そんな“都知事本”を読めるだけ読んで、うさんくさい“都民ファースト”な現在までをさらってみた。

「わが都政を振り返って」的なオーソドックスな回想録ばかりかと思いきや、それぞれに書いた動機が違っていて面白い。まずは「重い腰を上げてようやく書いた」というパターンがあり、舛添要一と猪瀬直樹がこれにあたる。舛添は『都知事失格』でマスコミによるバッシングにより辞任してから沈黙していた1年間の、心中を告白。また、猪瀬の『さようならと言ってなかった わが愛 わが罪』はちょっと変則的で、東京五輪招致運動の真っ最中に起きた、妻・ゆり子さんとの闘病記がメインに据えられ、若かりし時代の回想、さらには辞任のきっかけとなった徳洲会からの5000万円資金提供問題の真相をその中に挟み込むという凝った構成になっている。あとがきでは、長年連れ添った妻への供養も兼ねた原稿を書くことへの複雑な心境を綴っている。一方、美濃部亮吉『都知事12年』と鈴木俊一『回想・地方自治五十年』は退任してから過去をじっくりと振り返るオーソドックスな回想録パターン。青島幸男の『ドーンと都政じわじわ革命』は任期中に出版されており、どちらかというと都の広報的なニュアンスが強い。逆にノリノリで世に出したパターンもある。石原慎太郎が『東京革命 わが都政の回顧録』において自らの功績をドヤ顔で語っているのは、キャラ通りなので微笑ましくもある。また現職・小池百合子は就任したばかりのため、まだ時期尚早かと思いきや『希望の政治 都民ファーストの会講義録』を都知事就任後に出版。その中身は、彼女が立ち上げた政経塾「希望の塾」の講演をそのまま載せた形になっている。ちなみに、この講演は一般男性で5万円の受講料がかかり、「せめてテキストだけでも」などの声が寄せられたためにまとめたようで、“望まれたから出したんだ”感が強く、やや上から目線だ。

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