>   >   > スーパー芸能記者が見る“年始め芸能報道”の正しい読み方【前編】
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Johnny's net「Message from Smap」より

 国民的アイドルグループSMAPの解散騒動や日本レコード大賞絡みのスキャンダルなど、話題に事欠かなかった年末年始の芸能界。

 スポーツ紙や週刊誌など多くのメディア媒体が報道合戦を繰り広げたが、各社の報道の裏には現在の芸能界の重鎮たちのメディア支配の構図も垣間見えた。

 SMAPの解散騒動といえば、ジャニーズ事務所への残留を表明した木村拓哉と独立を画策したとされる中居正広らメンバー4人の対立構図が表面化。

 独立派の4人のバックには元チーフマネジャーで“育ての親”とされる飯島三智女史、さらに飯島氏を陰でサポートする芸能界の重鎮の田辺エージェンシー田邊昭知社長の存在が、世間一般にもクローズアップされた。

 NHKが、大みそかの紅白歌合戦において、最大の目玉としてSMAP出演に動く中、その窓口を務めていたのが、所属先のジャニーズ事務所ではなく、田邊社長という時点で、SMAPの制御不能&空中分解ぶりが如実に表れているわけだが、草彅剛らSMAPのメンバーたちと親交の深い子飼いの大物タレント・タモリを『SMAP×SMAP』に出演させ、紅白への投入も辞さず、メンバーたちの説得にあたった田邊社長の目論見はあえなく霧散。

 結果、SMAP出演は失敗におわったわけだが、辞退を真っ先に報じたのが、フリーアナウンサーの夏目三久と有吉弘行の交際&妊娠を報じたのが「日刊スポーツ」だったのは、偶然ではないはずだ。

「SMAPの紅白辞退のニュースは、言うなれば田邊社長にとって赤っ恥以外の何物のでもない。田邊社長がNHKサイドに『俺に任せろ。SMAPを紅白に出してやる!』とタンカを切ったことは業界内では広く知られていますからね。日刊にしてみれば、田辺エージェンシー所属の夏目アナのスキャンダル記事を完全否定されて、訂正記事まで紙面に出させられた恨みを晴らしたといったところでしょう」(スポーツ紙デスク)

 そして、この日刊のスクープの裏には、水面下で激しい抗争を繰り広げているバーニングプロダクションの周防郁雄社長の暗躍があるという。

 周防社長と田邊社長の対立が表面化したのは昨春のことである。

「バーニングに国税が入るということで、それまで周防社長に忠誠を誓っていた大手芸能プロダクションの複数の社長や出版社の社長などが一斉に周防社長のもとを離れて、田邊社長にすり寄った。しかも、彼らはIT関連企業を立ち上げて、その株で大儲けしたことで周防社長との対立の色に拍車がかかりました。そうした中で、周防社長がSMAPの独立騒動を妨害すれば、前出の田邊派が日本レコード大賞の“闇資料”を『週刊文春』にリーク、夏目&有吉の一連の報道など、水面下で激しい火花を散らしていた……という話が多くの芸能マスコミの間で囁かれました」(週刊誌記者)

 今年に入ってからも、SMAPの木村を除く4人および元メンバーの森且行氏が、田邊エージェンシーと深い仲の大手芸能事務所ケイダッシュ所属の堺正章が経営する港区の焼き肉店で打ち上げをやっている様子が「週刊新潮」と「女性セブン」で報じられたが……。

「新潮とセブンといえば、かねてから“親・周防系”媒体として広く知られています。つまるところ、田邊社長や“親・田邊系”媒体ともいわれる文春に対する当てつけでしょう。スクープなら何でもありという印象の『文春』ですが、“田邊派”の出版社社長が絡んでいた百田尚樹さんの手掛けた“やしきたかじん本”が騒動の渦中にあった時には、誌面では完全スルーで沈黙を貫いていましたからね」(同週刊誌記者)

 今後も“親・周防系”と“親・田邊系”週刊誌による代理戦争には注視していきたいところだ。

 ちなみに、これが女性誌となるとさらに複雑さを増してくるとか。

「セブンが“親・周防系”であることは間違いないですが、さらに同誌は“親・ジャニーズ系”でもある。女性誌は、わかりやすく言うと、セブンと『女性自身』がグラビアなどの兼ね合いもあり、“親・ジャニーズ系”。『週刊女性』は唯一の“反・ジャニーズ系”で、これまでもジャニーズのスキャンダルを散々報じて来ました。まあ、その分、ほかの男性アイドルや男性アーティストを抱える芸能プロとは蜜月ですけどね。週女を発行する主婦と生活社は『JUNON』を発行しており、多くのイケメン俳優を輩出している『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』を主催していますから」(前出のスポーツ紙デスク)

 一方、朝刊スポーツ紙は、ほぼ“親・周防系”&“親・ジャニーズ系”で形成されているのが実状だ。

「発表ものやストレートニュースなど一次情報を扱うメディアの特性上、基本的に朝刊スポーツ紙は大手芸能プロとは日常的な関係を築かざるを得ません。それでも、かつては1紙独占スクープを巡って芸能プロと対立するケースもありましたが、今は各紙ともスクープよりも“特オチ”を避ける傾向にある。そのうえ、記者やデスクが飲食接待やキャバクラ接待、風俗接待などの過剰接待を受けて、完全に飼いならされています」(前出の週刊誌記者)

 さらに、こう続ける。

「とくに、熱狂的なファンが売上にも貢献してくれるジャニーズ、業界内に圧倒的な情報網を持ちネタを提供してくれるバーニングには平身低頭です。田邊さんもテレビメディアや他の芸能プロなどの同業者に対しては、周防さんに匹敵するほどの影響力を持っていますが、こと活字メディアに対してはそこまでの力は及ばないでしょう。そのことは一連のSMAP絡みの報道を見れば明らかです」(同週刊誌記者)

 いずれにせよ、芸能界の2大ドンによるメディアも巻き込んだ抗争は今後もさらに過熱しそうだ。

後編に続く

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