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更科修一郎の「批評なんてやめときな?」【15】

『笑点』という大輪の花は、テレビに適応できず死んだ噺家たちの屍の上に咲いている――幽霊、落語から落日のテレビを観る。

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――ゼロ年代とジェノサイズの後に残ったのは、不愉快な荒野だった?生きながら葬られた〈元〉批評家が、墓の下から現代文化と批評界隈を覗き込む〈時代観察記〉

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談志の著書は自己演出が上手すぎて良くも悪くも引きずられるので、今回の一冊は歌丸さんのこちらを。

 今回の編集部は京都特集で民族大移動中だが、東京の筆者は都知事選の動向にうんざりしつつ原稿を書いている。もっとも、青島幸男が都知事になった20年前の時点でタレント知事のコンプガチャが延々と繰り返されるのは必然だったし、もっと遡れば、美濃部亮吉の時代からそうだった。NHK教育のホームドラマ風左派プロパガンダ番組『やさしい経済教室』で顔を売っていた美濃部も、テレビタレントみたいなものだったからだ。

 政治がテレビで左右されるように、テレビもまた政治であり、司会者交代が政権交代のように扱われ、楽太郎のほうの圓楽がアモーレ不倫で大騒ぎになる『笑点』はその縮図だ。元を辿れば、半世紀前に立川談志が企画した番組だが、筆者の父親世代……敗戦直後から寄席で落語を観ていたテレビ以前の世代には、談志は「テレビから出てきたタレント落語家のはしり」で、純粋な落語家とは認識されていない。もっとも、古今亭志ん朝も初期は『若い季節』や『サンデー志ん朝』で顔を売っていたのだが、高座に専念し、落語協会内の政治にすら距離を置いたことで名人扱いとなり、談志は国会議員になったりするうちに半端者扱いとなった。圓楽は「『笑点』を降りないと歌丸さんは人間国宝になれない」と言っていたが、そう考えている層はまだ多い。

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