サイゾーpremium  > 特集  > エンタメ  > 大塚英志が語る“”小泉八雲”
第1特集
朝ドラ『ばけばけ』という「物語」から“学ばない”ために─

評論家・大塚英志に聞く “小泉八雲”の実像と虚像

+お気に入りに追加
2602_cyzo_toku1-4_01_520.jpg
(写真/黒坂ひな)

現在放送中のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』のモデルとなったことで、にわかに注目を集める小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)。「怪談」や「日本の心」を愛した作家─そんなパブリックイメージをまとう八雲だが、その実像とは? 漫画『八雲百怪』や評論『八雲と屍体』など、自身の作品で小泉八雲を重要なモチーフとして扱ってきた批評家・漫画原作者の大塚英志に話を聞いた。

今年9月より放送中のNHK「連続テレビ小説」(通称、朝ドラ)第113作『ばけばけ』。本作は明治維新の日本を舞台に、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)とその妻・セツをモデルとした物語を描き、好評を博している。1896(明治29)年に日本に帰化し、明治期の作家として知られる八雲は、日本に伝わる幽霊話などを集めた『怪談』や、出雲や松江での逸話を記した随筆『知られぬ日本の面影』などを書き残している。

そんな八雲を題材にした作品を数多く発表しているのが、評論家・漫画原作者の大塚英志だ。明治から昭和にかけて活躍した民俗学者の柳田國男に折口信夫、八雲らを描いた漫画シリーズ「偽史三部作」の三作目『八雲百怪』をはじめ、『「捨て子」たちの民俗学 小泉八雲と柳田國男』、八雲の小説をモチーフにした小説『くもはち』(いずれもKADOKAWA)のほか、今年8月には評論『八雲と屍体 ゾンビから固有信仰へ』(太田出版)を上梓。

2602_cyzo_toku1-4_03_320.jpg
大塚氏が8月に上梓した『八雲と屍体 ゾンビから固有信仰へ』(太田出版)。今では偽書とされる八雲の手紙から浮かび上がる人物像に始まり、語り部との関係、戦時体制下で作品が政治的に読まれていくまでをつまびらかにしていく。

自身のキャリアの中で八雲と向き合い続けてきた同氏に、その実像を問うと──。

──まず、大塚さんは朝ドラ『ばけばけ』をご覧になっていますか?

大塚英志(以下、大塚) 見ていません。朝ドラを見るという習慣がないんですよ。『ばけばけ』については、周りから話を聞く程度です。

──そうですか……。大塚さんはこれまでも小泉八雲をテーマにした作品をいくつも発表されていますが、八雲に注目した理由はなんでしょう?

ログインして続きを読む
続きを読みたい方は...

Recommended by logly
サイゾープレミアム

2026年11月号

ドーパミン時代の沼化するエンタメ業界

ドーパミン時代の沼化するエンタメ業界
    • 「沼化」するエンタメ業界
    • 膨らみ続けるグラビア市場
    • SNSがつくる「あなたの好み」
    • 映画界ハラスメントの実態
    • ゲーム実況者の高齢化問題
    • PS、ディスク販売廃止の衝撃
    • 私たちは「ドパガキ」なのか
    • AI時代の「生歌」の価値
    • 「ニコ生ホラー」とは何だったのか
    • テクノロジーが広げる学びの未来
    • AI時代のサイバー攻撃
    • リングを彩る美女たち
    • 〈Cosplay beauty〉もちむぎ

NEWS SOURCE

インタビュー

    • 滝藤賢一、名バイプレイヤーの境地
    • 唯一無二の音楽家・水槽
    • 小八重葵美が得たもの

連載

    • [マルサの女]高橋凛
    • 神保哲生×宮台真司の「TALK ON DEMAND」
    • 萱野稔人と巡る「超・人間学」
    • ドクター苫米地に聞け!
    • 井川意高の天上夜想曲
    • 韮原祐介の匠たちの育成哲学
    • 辛酸なめ子の「佳子様偏愛採取録」
    • GROOVE SEQUENCE
    • 笹 公人×江森康之の「念力事報」
    • 町山智浩の「映画でわかるアメリカがわかる」
    • 花くまゆうさく『カストリ漫報』
サイゾーパブリシティ