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第1特集
ドラマのレガシー

学芸会レベルから等身大、自然体へ SMAPから伝承されるDNA

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――今年、60年以上の歴史を持つアイドル帝国「ジャニーズ事務所」の名前が消えた。だが、ファンに支持され、男性アイドル界を牽引してきた唯一無二の「ジャニーズらしさ」は、エンタメ界に残すべき遺産のはずだ。今こそ「ジャニーズが残したもの」「今後も旧ジャニーズタレントたちに継承していってもらいたいもの」を語るときだろう。そこで、各分野の識者たちに「受け継がれるべきジャニーズのレガシー」を聞いた。ドラマ、音楽、ダンス、衣装…どこに「ジャニーズらしさ」を感じるかは十人十色。あなたの心に「ジャニーズが残してくれたもの」とは?

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(絵/藤本康生)
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しぃちゃん(5歳)=「サイゾーウーマン」公式キャラクターで、本特集のナビゲーター

「まずは、ドラマにおけるジャニーズの足跡を考察してみよう。『金八先生』での、たのきんたちの棒読み演技も今は昔。近年のドラマ界はジャニーズの俳優たち抜きでは語れないけど、この間、何が起こっていたの?」


成馬零一(なりま・れいいち)
ライター、ドラマ評論家。1976生まれ。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)、『テレビドラマクロニクル 1990→2020』(PLANETS)がある。


1980年代まで、ジャニーズアイドル出身の俳優は「学芸会レベル」と揶揄されることも多く、テレビドラマではあまり大きな役がもらえなかったが、SMAPの登場以降、流れは大きく変わった。

1991年にデビューしたSMAPが芸能活動を本格的にスタートした90年代前半は、それまでアイドルが活動の拠点としていた歌番組が次々と終了し「アイドル冬の時代」といわれていた。そのためSMAPは、歌やダンスだけでなく、お笑い、トーク、演技といった他ジャンルに枝葉を伸ばす多角的活動を余儀なくされたのだが、それが逆に功を奏し、あらゆるジャンルを制圧することに成功し、テレビドラマの世界でも俳優として人気を博していた。 

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木村拓哉と『ロングバケーション』(BD-BOX/発売:フジテレビ)

中でも木村拓哉の活躍は圧倒的だった。1996年に月9(フジテレビ系・月曜夜9時枠)の恋愛ドラマ『ロングバケーション』で山口智子と主演を務めて以降は、月9の主演を中心に数字の取れる人気俳優として不動の地位を獲得。木村に続く形で草彅剛や香取慎吾といったSMAPメンバーも連続ドラマの主演を務めるようになっていった。

俳優としてのSMAPの強みは、アイドルでありながら、サラリーマン、大学生、フリーターといった年相応のどこにでもいる普通の青年を難なく演じられたことだろう。

特に木村の肩の力が抜けた芝居は「自然体」だと絶賛され、当時の若者の振る舞いがそのままドラマの中で展開されていると感じさせるリアリティがあった。

おそらく現実の若者と地続きの感覚こそが、たのきんトリオやシブがき隊、少年隊といった昭和のジャニーズアイドルとの大きな違いであり、全方位展開をする中でSMAPが身につけた最大の武器だったのだろう。そのスター然としていない空気感でアイドルであると同時にリアルな10~20代の若者の気分を体現できたからこそ、テレビドラマで普通の若者を演じてもハマったのだ。

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