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丸屋九兵衛の「バンギン・ホモ・サピエンス」【27】

【Hiroyuki Sanada】その男は奇跡の62歳!

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――人類とは旅する動物である――あの著名人を生み出したファミリーツリーの紆余曲折、ホモ・サピエンスのクレイジージャーニーを追う!

真田広之

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(絵/濱口健)

90年、同年代の手塚理美と結婚。95年の映画『写楽』で共演した葉月里緒菜との不倫が明るみに出て、97年に離婚。その間の93年にはTVドラマ『高校教師』で生徒と恋に落ちる教師を名演したが、それが「純愛」扱いなのがさすが日本。

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我々の90年代半ばを彩った忘れがたい『怪獣VOW』シリーズに、スーパー戦隊ものの第8作『超電子バイオマン』に関する項目がある。それによれば……その戦隊を構成する5人のうち、「イエローフォー」を演じる矢島由紀が1クールも経たないうちに突然失踪! 田中澄子が2代目イエローフォーを演じることとなったが、矢島由紀が千葉真一のジャパンアクションクラブ(JAC)所属だったため、同社からの謝罪として真田広之が唐突なゲスト出演を見せた……と語られている。

この『超電子バイオマン』は84年の作品。その時点で芸歴が実にほぼ20年、『魔界転生』で沢田研二と接吻シーンも経験し、『伊賀野カバ丸』でも『里見八犬伝』でも光っていた真田広之は、すでにレジェンダリーだった。その『バイオマン』から約40年が経たんとする今、真田がキアヌ・リーブス&ドニー・イェンと夢の共演を果たした『ジョン・ウィック:コンセクエンス』がついに日本公開される! まあ、カタカナ邦題のセンスと、半年遅れの本邦上陸には疑問が残るが……。

下澤廣之は1960年10月12日生まれ。芸能の道に進むきっかけは、元祖「奇跡の40代」こと高田浩吉の息子と遊んでいてスカウトされたことらしい。66年には、「下沢広之」として千葉真一の渡世もの映画『浪曲子守唄』で息子役を好演。5歳にして演技に秀でた、恐るべき子役であった。中学からはJAC入りし、74年には『直撃! 地獄拳』で主役・千葉真一の少年時代を演じた。学業専念の高校時代を経て、78年の『柳生一族の陰謀』で本格・再デビュー。この時に付いた「真田」姓は、千葉真一の「真」と千葉真一の本名「前田禎穂」の「田」を合体させたものだという。ややこしい!

この時点での真田は「ハンサムなアクションスター」であり、全盛期のユン・ピョウや90年代までのドニー・イェンの路線に近かったと言えるだろう。78年の『宇宙からのメッセージ』、80年の初主演長編作『忍者武芸帖 百地三太夫』、81年の『吼えろ鉄拳』、82年の『伊賀忍法帖』……時代劇であれ現代劇であれ未来劇であれ、ほとんどがアクションもので、なおかつ――脇役ほどの演技力が不要なこともある――主演が多数だ。しかし、ジャッキー・チェンが長らく自身の定型から逃れようと努力してきた(その最大の成果が『新宿インシデント』か)のと同じく、真田も俳優としての成長を自身に課してきた。彼の場合、転機は意外に早く、88年の小泉今日子主演作『快盗ルビイ』なのだろう。翌89年にJACから独立、自身の会社を興したことにも、アクションスターからの脱却の意図が見える。

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