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第2特集
目指すはK-POP? ジャニーズ進化論【1】

SixTONES、Snow Manほか ジャニーズ進化論 K-POPを目指す新世代を大研究!

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平成の終盤から令和の現在にかけて、SMAPが解散し、嵐は活動を休止した。あるいは、ジャニー喜多川元社長や女帝・メリー喜多川氏が鬼籍に入り、所属のトップアイドルたちは続々と退所。かくしてジャニーズ帝国は失墜したように見えたかもしれないが、実は最近、新世代のグループが新たなクリエイションを開拓し、存在感を強めている。かつてと比べて、何がどう“進化”したのだろうか――。

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(絵/藤本康生)

V6の解散や嵐の櫻井翔、相葉雅紀のW結婚、TOKIO長瀬智也の退所、さらに藤島メリー泰子名誉会長の死去など、昨年中もさまざまなニュースで世の注目を集めてきたジャニーズ事務所。絶対王者であった嵐が活動休止中という状況ながら、2018年デビューのKing & Prince、20年に同時デビューしたSnow ManとSixTONES、そして昨年デビューしたばかりのなにわ男子という、この4組が事務所を引っ張り、令和の時代の新たなジャニーズ像を作り上げている。

その中でももっともホットな存在が、従来のジャニーズの王道路線を継承し、テレビ番組などでも引っ張りだこのなにわ男子だろう。そんななにわ男子の活躍の一方で、音楽業界で注目されているのが、ここ1~2年の間に起きているジャニーズ楽曲の“サウンド面の変化”だ。最先端の洋楽サウンドを取り入れた、いわゆる「攻めた」楽曲が増えており、王道路線であるなにわ男子以外のグループに関しては、その傾向がひときわ強い。特に業界内で注目を集めたのは、前述4組よりも少し先輩格にあたるSexy Zone(2011年デビュー)が昨年3月に発表したアルバム『SZ10TH』収録の「RIGHT NEXT TO YOU」という全編英詞の曲だ。リリース直前に先行公開されたMVもバズったこの曲の衝撃について、ジャニーズの音楽制作に詳しい芸能事務所幹部のA氏はこう語る。

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Sexy Zone「RIGHT NEXT TO YOU」は、ジャニーズのサウンドに革命をもたらした。YouTubeで公開されているMVは900万回再生目前。この曲のバズもあって、セクゾは6月1日にリリースしたアルバム『ザ・ハイライト』ではNulbarichやSTUTS、iriといったクリエイターと手を組み、果敢に攻め続けている。

「まず、あのMVを見て、映像も含めてパッケージとして完成していることに驚きました。音楽ジャンルとしてはUKガラージですが、海外のクリエイターも参加していて本当にクオリティが高く、まったくJ-POPに聴こえない。歌やラップも彼らなりのスワッグ感が出ていて、あのサウンドをちゃんと乗りこなしているのもすごいなと感じました」

ジャニーズのリリース事情に詳しい音楽配信関連会社に勤務するB氏は、同曲がジャニーズ内へ与えた影響を次のように話す。

「ジャニーズのお笑い担当的な立ち位置だった菊池風磨ですが、彼のアーティストとしての株がこの曲によって急上昇しました。他のグループも含めて、そのことに刺激を受けたジャニーズの所属メンバーは多いのではないでしょうか」

Sexy Zone以外のグループに関しては、サウンド的にもっとも攻めていると言われているSixTONESがトラップやレゲトンなど幅広いジャンルを積極的に導入しており、英詞の曲も現行グループでは最多だ。Snow Manはダンスで魅せるグループということもあり、EDMやダブステップなどに果敢にトライし、King & Princeもニューウェストと呼ばれる最先端のジャンルを取り込む一方で、6月29日にリリースされる最新アルバム『Made in』ではKREVAが作詞作曲を担当したリード曲を収録するなど、また違った方向で攻めている。

そんなジャニーズ内の攻めの姿勢は、若手だけではなくベテラン勢にも伝播している点も興味深い。KAT-TUNが今年3月にリリースしたアルバム『Honey』では海外のクリエイターも交えてコライト(編註:複数人のプロデューサーやソングライターが共同で楽曲制作を行う手法)で作られた楽曲を複数収録し、特にアルバム前半では多彩で最先端なダンスミュージックを聴かせてくれる。

「KAT-TUNはこれまでいろいろストーリーがあり、これ以上、何も失うものがない。そんなグループだからこそ常に攻めの姿勢でしょうし、彼らにはもっと攻めてほしいです」(前出・芸能事務所A氏)

サウンド面で海外の最新トレンドを取り入れながら、時には英語の歌も披露するという流れから想像できるのは、BTSなどK-POPからの影響だろう。B氏がその内情を分析する。

「K-POP勢の影響は多大にあると思います。それはジャニーズに限らず、国内の男性アイドル界にK-POPの影響が侵食してきているので、その対策ともいえるでしょう。それに加えて(19年の)ジャニーさんの逝去によって時代への即応が少しだけ前進した感もあります。正直、ジャニーズのスタッフは音楽的なトレンドに対する意識や好奇心がそれほど高くはないのですが、最近では音楽的教養に長けたソニー・ミュージックのスタッフがジャニーズ・エンタテイメントに出向したことで、そのあたりのノウハウやセンスが注入されている節はうかがえます」

K-POPを意識した先には、やはり“世界進出”をイメージしてしまうが、実情は少し異なるようだ。B氏が厳しい意見を述べる。

「比較的海外志向が強いと言われているグループに英語詞の曲が多い気がしますが、正直な印象としては本気で狙っているレベルには至っていないと感じます。事務所のスタッフやアーティスト自身は本気で海外を意識してるかもしれませんが、側から見るとそれは洋楽っぽい色を付けてるレベルにとどまっている印象です。King & Princeがベイビーフェイスと共演(アルバム『Re:Sence』のリード曲「Namae Oshiete」)しても、やはり単なる箔を付けたようにしか見えません」

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